“控え”でも名門高校で飛躍できるワケ 中学生のやる気高める「三者面談」の中身

文:間淳 / Jun Aida

XFacebookLineHatena

愛知名港ボーイズはOBの多くが仙台育英や明徳義塾など強豪校に進学

 選手の成長、チーム強化、さらには進路のサポートまでを指導者の役割と考えている。名古屋市の中学硬式野球チーム「愛知名港ボーイズ」のOBは、レギュラーだけではなく、控え選手も甲子園常連校へ進学している。モチベーションを高く保って高校で活躍するには、指導者が進路の選択肢を示しながら、最終的には選手自ら決めることが重要だという。

 仙台育英や聖光学院、浦和学院や明徳義塾など、OBの進学先には名門校の名前が並ぶ。近年、全国大会の常連となっている愛知名港ボーイズでは年末に中学2年生と保護者を対象にした三者面談を実施している。チームを指揮する奥村尚監督は、選手に第一希望から第三希望まで進学したい高校をたずねる。そして、年が明けた2月頃に再び三者面談を行い、志望校に変更がないか問う。

「選手の性格やプレースタイルと志望校のタイプが合っているかどうか話はします。ただ、私が選手や保護者に対して、進学先を強く勧めることはありません。本人が目指す高校に進めるよう全力でサポートしています」

 愛知名港ボーイズでプレーする選手は、高校でも野球を続け、大半が甲子園出場を目標に掲げている。実現には野球の技術と学力が求められる。努力を継続する上で大切になるのが、志望校を選手が自ら決めること。奥村監督は「選手は三者面談を通じて進路をじっくり考えてから自分で志望校を決めているので、意識を高く持って練習しています。指導者に強制されるわけではないので、高校入学後に活躍する選手も多いです」と語る。

選手や保護者へ感謝…「野球を長く楽しんでほしい」

 選手の可能性を広げるため、奥村監督が自身の役割と捉えているのがチームの強化と人脈。チームが強くなれば、甲子園を狙える強豪校から選手が注目される確率は高くなる。実際、奥村監督は6年前からチームを指揮し、全国大会に3度出場している。進路で目を引くのは、控え選手も甲子園常連校に進学しているところ。奥村監督は、こう話す。

「うちではレギュラーも控えも関係なく、目標を高く持って努力すれば甲子園を狙える高校に進めるサポートをしています。進学先の選択肢を増やせるように日ごろから情報を集めたり、人脈を広げたりしています。志望校を最終的に決める前に、高校の指導者に選手を直接見てもらうようにもしています」

 奥村監督が進路まで力を注ぐ理由は、選手や保護者への感謝にある。

「うちのチームを選んでもらったことがうれしいですし、野球を長く楽しんでほしいです。名港ボーイズに入って良かったと感じてもらえるように、甲子園を目指す選手の夢を後押しできたらと思っています」

 一緒に過ごすのは中学の3年間に限られるが、選手の将来にも目を向けている。