ノックで「なんで捕れない!」は指導者の“自己否定” 選手が食いつく米国流スキル練習

更新日:2026.09.01

文:First-Pitch編集部

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日米を知る指導者が語る…野球スキルの段階的習得の効果

 少年野球の現場で飛び交う大人たちの声。上手くプレーできない選手への声がけは、指導者や親の悩みの種だ。米国で少年野球チームの監督を務めアカデミーも開講する新谷信明さんと、彼からメソッドを学びハイブリッド・コーチングを掲げるスキルコーチの菊池タクトさんは、日米の指導の違いに着目。両者は野球の動作を分解して教える「段階的スキル習得」を推奨している。

 いきなりノックを始めて「なんで捕れないんだ!」と、ただ気合を求めても上達には繋がらない。新谷さんは「なんでできないんだ?」と言うのは簡単だが「できないところを僕らはつぶさに観察して、その子たちの課題を見つけないといけない」と語る。課題解決へ少しずつ動作を分解し、1つ習得したら次へ進むという過程を踏みながら教えていくほうが、実際に米国でも「子どもたちの“食いつき”が良かった」という。

 菊池さんは、米国のマンツーマン指導の環境が段階的な教え方を生んだと分析する。日本は全体練習がメインとなるが、それだと個人がミスをしても流すしかない。しかし、マンツーマン指導で「なんで捕れないんだ!」と言っては、指導者の“自己否定”になってしまう。責任をもって、できない場合はもう一つ段階を下げて教える工夫が求められる。日本でも工夫次第で導入は十分に可能だ。

 例えば、いきなり全体でのノックを始めるのではなく、その前に捕球ドリルを1つ組み入れてみる。打撃においても、フリーバッティングに入る前にスイングのチェック項目を何個か作ってみる。こうした少しの工夫を取り入れるだけで、選手も理解しやすく、教える側も指導しやすくなる。

 もちろん指導において絶対的な正解はない。新谷さんも「これがすべてではない」と語るように、目の前の子どもに合う形へ変えていくことが大切だ。大人が動作を細分化し、子どもが食いつくような段階的な練習を環境として与えることができれば、成長過程の選手たちの確かな技術向上に繋がっていくはずだ。

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