
低反発バット導入から2年…日本航空石川が取り組む“強く振れる”選手の育成
高校野球で使用されている「低反発バット」は、導入から2年が経過した。従来のバットよりも直径が細く反発性能が抑えられているため、打者は技術や振る力を一層求められるようになった。春夏通算6度の甲子園出場(中止になった2020年選抜大会を含む)を誇る日本航空石川高校の中村隆監督は「当てるだけ、叩きつけてゴロを狙うような打撃は高校までなら通用するかもしれないが、子どもたちの将来を考えると難しい」と、スケールの大きな選手育成に振り切ったという。
日本航空石川は低反発バットが導入された2024年、2025年と2年連続で選抜大会に出場している。選手たちが目標とする甲子園の土は踏んだものの、中村監督は「去年(2024年)は細かな野球をやっていましたが、選手として小さくなってしまうのではないか。本当にそれでいいのかと。上のレベルで野球をやりたい選手の可能性を潰してしまうのではないか」と自問自答したという。
日本航空石川でプレーした選手の多くは、卒業後も大学などで野球を続ける。ただ、木製バットに変わり投手のレベルも上がると、打力がないと勝負できないのが現状だ。もちろんチームによっては個々の役割がありポジションを奪うことも可能だが、中村監督は「可能性を無くすことはマイナスにしかならない」と考え、“振れる選手”育成に再び舵を切った。
「小技で生きる、高校で野球をやめると決めている選手はそれでもいいと思います。でも、自分が大学の監督だと思って選手を客観的に見ると、小さくまとまった選手はいらない。小柄でもしっかりバットを振れる選手の方が魅力があります」
日本航空石川は秋の石川大会、北信越大会の計8試合で57得点

高校野球において、選手の活動期間はわずか2年半。勝利と育成の両立は簡単ではないが、中村監督は選手の可能性を潰さない方針を掲げる。「体の軸でしっかりスイングできる選手」の育成だ。勝ちたい気持ちから小技に走りがちだが、それでは選手の可能性を狭めてしまう。現在は強く振るために必要な体の使い方や、低反発バット導入以前の打撃を重視したトレーニングを行っているという。
「その子にあった打ち方を求めていく」ことで、選手の将来を広げることができる。目先にとらわれた野球は「選手の限界値を止めているようなもの。それは指導者がやってしまったらダメだと思う」と中村監督。他校を見ても、2025年秋の明治神宮大会では10本の本塁打が飛び出すなど、低反発バットでも「打てるチーム」が増えている。
どの打順からでも長打を狙える選手育成を掲げた2025年秋は石川大会で準優勝。北信越大会に出場したが準々決勝で敦賀気比(福井)に敗れ、3年連続の選抜出場は絶望的となった。だが、秋季大会8試合で計57得点を挙げた打線に、中村監督は手応えを感じている。
「あと一歩、勝たせてあげられなかったのは監督の責任。ただ、やってきたことは間違っていない。この冬でもう一段階力をつければ春、夏は面白くなる」
当初は各校が頭を悩ませていた低反発バットへの対応。「スモールベースボールに逆戻りする」と言われていたが導入から2年の月日を経て、克服するチームは徐々に増えてきている。
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