
世田谷西リトルシニアが全国大会3連覇&春夏連続の日本一
中学硬式野球屈指の強豪が新たな歴史を刻んだ。「エイジェックカップ第53回日本リトルシニア日本選手権」は6日、神宮球場で決勝戦が行われ、世田谷西リトルシニア(東京)が橿原磯城リトルシニア(奈良)を4-1で下し、3年連続7度目の優勝を飾った。今春の全国選抜大会も制しており、これで春夏連続の日本一を達成。大会3連覇は史上初で、ダブルでの快挙となった。
力強いナンバーワンのポーズだ。強い日差しが照りつけるマウンド付近に世田谷西シニアのナインが人さし指を突き上げながら駆け寄り、あっという間に歓喜の輪が広がった。心に広がったのは喜びとともに安堵の気持ち。主将を担う内栫陽向内野手は「ホッとしました。優勝を目指していたので、少しプレッシャーはありました」と常勝チームゆえの見えない相手との戦いがあったことを吐露した。
初回、元巨人ヘッドコーチの元木大介氏の次男・瑛介内野手が「昨日、お父さんと話して、気持ちの問題で振りにいけてなかったので、積極的に打ちにいきました」と助言を実行に移して先制打。同点に追いつかれた直後の2回は西崎太賀外野手の三塁内野安打で勝ち越し、3回にも2点を加えた。相手の7安打に及ばない4安打ながら四球や失策に4盗塁を絡めるなどそつのない攻撃を展開。3回から3番手で登板した徳久陽人投手が5回無失点の好救援で逃げ切った。
春の全国選抜大会は決勝で奈良西リトルシニアを下して3年ぶり4度目の優勝。一息ついてしまうのも無理はない。ただ、走って移動していたグラウンド内を歩くなど、それまでのような緊張感が感じられず、内栫主将は「おごりがあったというか、自分たちは強いんだという勘違いが生まれていました。吉田(昌弘)監督に怒られて、道具をきれいにするとか、野球人として本当に基本的なところから直していこうとやってきました」と振り返る。
実戦形式の練習での緩慢な走塁なども仲間同士で厳しく指摘し合い、できることを確実に消化していくことを徹底。基本を大事にすることで「春夏連覇が達成できるんだ」と意識を高めたという。吉田監督も「大きな大会が終わると、どうしてもホッとしてしまうところが出てしまうのは仕方がない。そこから選手同士で話して、自分たちで気づいてやってくれていた。選手が本当によく頑張ってくれた」と目を細めた。
「守備位置を自分たちで考えて、凄く楽しんでいる」

指揮官がもう1つ成長を感じたのが守備。「遊撃の川村(亮惺)と二塁の内栫を中心にしっかり守って勝てました。守りは点が入らないから、どうしても次の攻撃のことなど考えたりするんですけど、守備位置を自分たちで考えて、凄く楽しんで守っている。それが今回は印象的でした」。投手の球種、コースに加えて点差、走者の有無やアウトカウントなどの状況によって、選手の判断でポジショニングを自在に変更した。
「今まで練習や練習試合でいろいろ言ってきたことを、彼らが培ってきた知識の中から活用してくれた。多少はベンチから指示もしましたけど、基本的には守っている9人の判断です」。4-1で迎えた4回2死一、二塁では中堅への痛烈な打球を原真徳外野手が前進してダイビングキャッチ。相手に流れを渡さない美技でチームを勢いづかせるなど、無失策の堅守で頂点をつかみ取った。
猛暑の中での大会。「いつものパフォーマンスは出づらくなってくるので、実績よりも調子がいい子を優先する」と臨機応変に選手起用してきた。決勝戦は最優秀選手に選出されたエースの福田遊大投手を温存したまま勝利。攻撃面も「今大会は100点満点で50点ぐらい。まだ今日のメンバー全員がレギュラーというわけじゃない。また入れ替わります」と上昇の余地があるという。
次の目標はリトルシニア以外にもボーイズ、ポニー、ヤング、フレッシュの全5リーグが参加して中学硬式野球の日本一を決める「全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ」。11日に開幕する同大会で2年ぶり制覇と春夏制覇に加えた“3冠”を目指す。
「打てる、抑えるとか表面上の楽しさだけじゃなくて、本当に野球というゲームを楽しめるようになった。試合に勝つことも大事ですけど野球が上手になることが目標。今の3年生が凄くよく分かっていて強いチームになっている」と吉田監督。選手が自主的に考えて動くからこそ深まる理解。心身ともに充実一途の勢いは止まりそうにない。
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