運動会でも消える順位付け…子どもの“序列”はNG? 名将疑問視「現在地見誤まる」

文:喜岡桜 / Sakura Kioka

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大人の罵声・怒声禁止…「ロゴスランドカップ」5年生投手で“大歓喜”の理由

 特別ルール「大人の罵声・怒声禁止」がしかれ、子どもも保護者も心の底から楽しめる学童野球交流大会「ロゴスランドカップ 2024」(主催:株式会社スポーツバックス)が、今月3、4日の2日間開催され、会場の鴻ノ巣山運動公園(京都府城陽市)などに、関西、四国、中国、北陸から9チーム約200人の選手が集まった。試合後は、総合アウトドアレジャー施設「ロゴスランド」へ移動し、大型アスレチックや最長140メートルのロングスライダーなどを堪能。夜にはバーベキュー交流会が開かれ、子どもも保護者も、指導者も、野球と遊びを全力で楽しんだ。

 オフシーズンに自己研磨を積んできた子どもたちの成長の姿も、チームメートや大人の笑顔を引き出した。3度の全国大会制覇を誇る滋賀県の多賀少年野球クラブは、2試合目の最終回、鈴木啓太朗投手(5年)が3つ目のアウトを取ると、この日一番の盛り上がりをみせた。任されたイニングを初めて完投できた鈴木くんは、マウンドで照れくさそうにしながら、ベンチの方へ顔を向けた。

 指揮を執る辻正人監督も喜びを爆発させた。そして「あの子は“2”にいた子なんですよ」と明かした。同チームは子どもの実力に応じて、トップクラスの「1」と、育成クラスの「2」に分けている。「1」がチームの勝利を目指す試合運びをする一方、「2」は自分磨きの場。とはいえ、「1」であろうと「2」であろうと、スタメンで同じ試合数を経験させる。鈴木くんは「2」のメンバーとして、腕を磨いてきた選手なのだ。

 順位をつけたりチームを分けたりすることで、実力が劣る子がやる気を失ってしまうのではないか。ナンバーワンより“オンリーワン”を重視する。そんな風潮が2000年頃から広がってきた。運動会の徒競走でも、かつてのように順位づけで競争心をかきたてるのではなく、みんなで手を繋いで横一列にゴールテープを切るような場面も見られる。

 だが、辻監督はあえて、同チームに所属する子どもたちに対し、実力主義なチーム分けを敢行しているという。

レギュラーとの差を不透明にする弊害…子どもが「ふんわりする」

多賀少年野球クラブの辻正人監督【写真:喜岡桜】

「ウチも厳密じゃなくて、ふんわりとチームを分けていた頃がありました」と辻監督。だが、それによるデメリットが生じた。

「子どもらの中で、レギュラーになれる位置に自分がいるのかどうかが、“ふんわり”してしまって、『もうレギュラーになれるくらい(力がある)かもしれない』と、現在地を見誤ってしまうケースがありました」。その経験から、序列をつけない指導論を「スポーツにまで持ち込んだらダメだと思うんです」と唱える。

 目標であるレギュラー入りを果たすために「まずは自分がどこにいるのかをはっきりと認識」し、ライバルとの差を埋める努力をすること。そして、目標との距離を測るために「チームを分けたり、ランクを付ける必要があると思います」と説明する。

 この日、祝福された鈴木くんは、やる気を失うどころか、みんなが驚くほどの成長を遂げていた。悔しい思いをしても、全力で、楽しく取り組む。それが成果を上げるための近道になる。

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