滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督は20人のベンチ入り選手を2チームに選別
子どもに順位をつけない時代だからこそ、選手に「序列」をつける指導方針に転換した。日本一3度を誇る滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督が1月30日、オンラインイベントで講師を務めた。選手の能力に応じたチーム分けに最初は戸惑いを見せた選手や保護者もいたが、明確な基準と意図を説明して今ではチームの士気が高まっているという。
様々な分野の専門家が悩み解消のヒントを示す野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員を対象にしたオンラインイベントで、辻監督は「令和を勝ち抜く指導法」をテーマに講演した。昨秋スタートした新チームでは、6年生を中心とするチームのメンバーに序列をつけ、レギュラーと控え2つのチームに分けていると明かした。
辻監督は今まで、全国大会のベンチ入りメンバー20人を1つの集団としてチーム作りを進めてきた。しかし、昨夏の全国大会に2回戦で敗退した理由の1つに実戦経験の不足があったと考え、20人のメンバーを2つのチームに分ける方針に変更した。
週末に1日2試合の練習試合を組む場合、20人で1チームにすると各選手の出場機会は限られる。しかし、レギュラーと控え、それぞれのチームが2試合をこなせば、実戦経験は格段に増える。辻監督は「全ての選手が同じ試合数を重ねた方がチャンスは広がります。子どもたちの可能性は無限ですから」と意図を説明する。
序列をつける基準を選手に説明 メンバー入れ替えは活発
ただ、今は運動会の徒競走でも順位をつけない時代。選手の能力を評価して序列をつける方法に抵抗があった選手や保護者もいた。それでも、辻監督は「ストレスを感じていたのは最初の1か月くらいです。そこを乗り越えたら、試合経験が増えたことに感謝されるようになりました。保護者の出席率も上がったと思います」と明かした。
オンラインイベントの参加者からは「序列をつける時、選手にどのように説明しましたか?」と質問を受けた。辻監督は「守備主体でチームをつくっているので、守れる選手が試合に出られると正直に伝えています」と回答。レギュラーを決める明確な基準を示しているという。
そして、レギュラーと控え、2つのチームで積極的に選手を入れ替えている。練習試合を1日2試合組むと、1試合目は控えチームで出場していた選手が、2試合目はレギュラーチームに入る時もある。外野手のレギュラーが、2試合目は控えチームで投手をするなど、選手が複数ポジションを経験できるメリットもある。
「最初は傷つく選手もいるかもしれませんが、今は良い雰囲気で試合ができています」と辻監督。選手の能力を最大限生かす“令和のチーム作り”を模索している。
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