
多賀少年野球クラブ・辻正人監督 私生活の言動見直しで“変身”
かつては選手を怒鳴ることも珍しくなかった。全国制覇3度を誇る滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督と今夏の全国大会で初優勝した東京・上一色中の西尾弘幸監督が19日、オンラインイベントで指導者や保護者の質問に答えた。怒らないようにする秘訣を問われた2人は、それぞれの工夫を明かした。
野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」開設1周年の記念イベントに参加した辻監督と西尾監督。日本一を成し遂げた2人の指揮官にオンラインで直接質問できる機会とあって、参加した指導者や保護者はアドバイスを求めた。
少年野球の指導をしている参加者からは、選手たちを怒らない方法について質問があった。指導の相手は子ども。怒らないように心掛けていても、感情をコントロールできずに悩む指導者は少なくない。「世界一楽しく」「世界一強く」を掲げる辻監督も、10年ほど前までは選手を怒っていたという。当時を回想する。
「しゃべらずに黙り込むことから始めました。心の中で怒鳴るようにしていましたが、1年くらい変われない日々が続きました」
選手を怒ることはやめられても、怒り自体を消せなかった。そこで、辻監督は私生活の行動を変えた。コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどに行くと、どんな言葉をかければ店員が喜ぶかを考えて実行したという。
「私生活から人を不快にさせない、怒らないようにしないといけないと気付きました。グラウンドの中だけで人間性を変えるのは無理です。私生活の行動を変えたら、グラウンドでもイライラしなくなりました」
上一色中・西尾弘幸監督 選手から一歩引いた距離感で指導
西尾監督も7年ほど前まで、選手を厳しく怒ることがあった。だが、指導方針を見直すと、何度となくあと一歩で跳ね返されていた全国大会出場の壁を突破。今夏は初の日本一に輝いた。
選手と適度な距離感を取り、威圧感を与えないように心掛けている。気になったところは個々に声を掛ける時もあるが、選手から質問や相談を受けるケースが多いという。
「なるべく選手に近づかず、一歩引いて練習を見るようにしています。選手に余計な圧力を加えず、なるべく選手がのびのびプレーできるように意識しています。腕組みもしません」
昔ながらの怒声罵声が根強く残っている野球界。怒らなくても選手は成長し、チームが強くなることを2人の日本一監督が証明している。
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