1イニング5点で攻撃終了、盗塁は4つまで 両チーム合意で独自ルール採用
米国の少年野球の試合には、日本ではほとんど見聞きしない「ローカルルール」が多い。現地で学んだ指導法を日本で伝えている野球スキルコーチの菊池拓斗さんが師と仰ぐ新谷信明さんは「試合の目的は選手の育成」と話す。大差がつく仕組みや感情を表に出す指導者は、子どもたちの成長につながらないと考えている。
日本の少年野球では最近、これまでの考え方が変わってきている。勝利至上主義への議論が活発になり、肩や肘への負担を考慮して球数制限が設けられている。多くの選手に出場機会をつくるリエントリー制を導入する大会もある。
勝利が全てという風潮が変化する中、米国で少年野球の監督を務め、アカデミーも開講している新谷さんは「選手を育成するために、試合のルールは選択肢があっていいと思います」と話す。米国では、双方のチームで合意すればローカルルールを適用するという。
例えば、1イニングで5点入った時点で攻撃を終了する時もある。試合序盤で大量得点差となれば、負けているチームはもちろん、勝っているチームの選手も集中力や楽しみを欠く。それを考えてのことだ。
日本の少年野球で賛否両論が分かれる盗塁やバッテリーミスに関しても、両方合わせて1イニング4つまでといったルールを設けるケースがある。また、点差がついているケースでは盗塁を自粛し、打者は初球から打っていく。