ポニーリーグは今年5月から一部の大会で木製バット導入
世界の基準と比べて日本製のバットは打球が飛ぶことに賛否がある中、今年5月から中学硬式野球のポニーリーグは一部の大会で使用するバットを木製に限定している。選手の打撃技術向上を目的に取り組み、木製バット導入から半年で本塁打数が1.4倍に増えるなど、成果が出ている。現場の監督たちにも考え方に変化が見られ、デメリットよりも現時点ではメリットが多いように映る。
日本メーカーが金属バットを開発する技術は高い。5年、10年前と比べて、小、中学生が使うバットの飛距離は伸びている。子どもたちが打球を遠くに飛ばせる楽しみを味わえる一方、打撃の技術が身に付きにくいという声もある。
世界ではジュニア世代で低反発の金属バットや木製バットが一般的であることから、ポニーリーグは今年5月から木製バットに限定した大会を開催している。2024年から低反発バットが採用される高校野球より一足先に新たな取り組みを始めた。
木製バットのデメリットに挙げられるのはコスト面。金属と違って折れてしまうため、何度も買い替えるとチームや保護者の負担が大きくなると指摘もある。しかし、日本ポニーベースボール協会の那須勇元事務総長は「試してみないと分からないですから。高校野球で低反発バットが採用されることになったので。それならポニーリーグでも原点回帰で木製バットを使ってみよういうことになりました」と説明する。
ポニーリーグでは、5月に開催した「コントリビュートインビテーション ベースボールクリニック杯争奪関東連盟1年生大会」から木製バットを導入した。金属バットと違い、芯を外れると手がしびれる。選手たちは木製バットを扱う難しさを感じていた。