【野球】中学生で伸びる選手の共通点 保護者必見、”日本一”監督が明かす秘訣

公開日:2022.05.10

更新日:2024.08.19

文:First-Pitch編集部

XFacebookLineHatena

日本一の監督も推薦、継続率93.9%!
少年野球に特化した育成動画配信サイト

 野球をする子どもの上達は、親にとっては大きな喜びです。成長の速度やタイミングは個人差がある中で、中学生になって突如として伸びる選手もいます。果たして、そういった選手たちにはどのような共通点があるのでしょうか?

 中学日本一の実績を持つ上一色中学野球部の西尾弘幸監督は、伸びる選手には決まって特徴があるといいます。プロ選手も育てた長年の指導キャリアを踏まえ、成長期を迎える選手が考えるべき点、さらに、保護者への“アドバイス”が詰まっています。

目次

専門家プロフィール

    ○西尾弘幸(にしお・ひろゆき)
    1957年6月3日、東京・足立区出身。教員として1994年から勤めていた江戸川区立小松川第三中では都大会で5度優勝。2006年に江戸川区立上一色中に赴任し、全中では2度の準優勝。クラブチームも含む2012年全日本少年軟式野球都大会では、中学校のチームとして大会初の頂点に。2022年全日本軟式少年野球大会では初の日本一に輝いた。横山陸人(ロッテ)をはじめ、高校以降も活躍する選手を育てている。First-Pitchと連動している野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT(ターニングポイント)」でも、育成年代の野球指導に向けたトレーニング方法や理論を解説。

1.野球が中学生で伸びる選手の特徴

 まず、中学生で伸びる選手には、どんな特徴があるのか見ていきましょう。ここでは大きく「身体的なポイント」と「心理的なポイント」の2つに分けて確認していきます。 

1-1身体的なポイント

 中学生になると多くの子どもたちに成長期が訪れます。身体の変化に合った体作りをできた選手が大きな成長を遂げると言っても過言ではないでしょう。

柔軟性

 成長期のピークを迎えて体重や身長が大きく変化した際、成長に合わせた柔軟性を高めるトレーニングも必要。動きの幅を広げ、大きな怪我をしない体にもつながっていきます。

体力

 野球はとても体力の求められるスポーツです。走り込みなどの鍛錬も必要ですが、成長期である中学生には、適切な睡眠やストレッチも重要です。効率良く体のケアをしながら、運動経験を積んだ選手も、成長する選手の特徴と呼べるでしょう。

筋力

 体の急激な変化に合わせ、筋力をつけることも重要になります。パワーがつくことで、これまで生かしきれていなかった野球スキルが一気に開花することもあります。

 1-2心理的なポイント 

 中学時代に飛躍的な成長を遂げるには、心理的な面も欠かせません。選手自身が自分の内面と向き合い、自身の成長を追及することが重要になります。

考える力

 小学生までは、監督やコーチに指示された通りにプレーする選手が多いです。もちろんそれは、小学生には練習の意味や指示の目的を的確に理解して行動することが難しいからとも言えます。しかし中学生になると「自分で考える力」を身に付けた選手も出てきます。

学ぶ姿勢

 自身のプレーをどれだけ客観的に評価し、常に向上心と学ぶ姿勢を持つことができるかどうかも重要となります。上手くいったプレーに満足するだけでなく、常にどこを改善できるか、今後の成長すべき方向性を見極め続けることが必要です。

すぐ投げ出さない

 中学野球になると、少年野球から格段にレベルが上がります。大会では学年によるカテゴリー分けはほとんどなく、単純に上手な選手が試合に出るというチームが多くなります。レギュラー争いや相手チームとの戦いなどでうまくいかない場面も少様々な場面で“勝負”が求められるだけに、負けたくないという気持ちがより一層重要になってきます。

2.中学で伸びる選手の保護者との関係

 全国大会の常連となった上一色中の西尾監督も、選手の成長に保護者の役割は不可欠と考えています。しかし、子どものためを思った言動は、時に逆効果となることも。手を差し伸べるだけがサポートではありません。ここでは中学野球における保護者の役割を見ていきます。

2-1子どもへの過度な期待はしない

 保護者が介入しすぎると、選手が親の目を気にしてプレーしてしまいます。細かいところまで指摘された選手は、伸び伸びできずに委縮し、失敗してしまいます。目標に向かって努力する子どもたちを支えるのが、大人の役割です。ついつい熱が入って「うちの子どもを何が何でもプロ野球選手にする」と冷静さを失うと、子どもの成長を妨げてしまう可能性があります。

2-2選手本人も保護者も考え方を謙虚に

 技術や運動能力の高い選手でも、伸び悩むケースは少なくありません。選手本人や保護者に驕りが生まれてしまうと、成長のスピードは落ちていきます。必ず自分より上手い選手はいるので、謙虚にしないと知識も技術も吸収できなくなってしまいます。子どもは親の影響を受けやすく、もし親が横柄になっていると、その影響は少なくないはずです。

3.少年野球日本一の監督らが説く「伸びる選手の条件」

 ここまでお伝えしてきた選手の基本的な特徴や保護者との関係性を踏まえ、実際に「伸びる選手の条件」にはどんなものがあるのでしょう? 西尾監督に加え、中学硬式野球の強豪「静岡裾野リトルシニア」の佐藤裕徳監督も具体的に挙げています。

3-1体格にとらわれない体の使い方を身に付けること

 なかなか成長期が訪れず、体格面で劣って一時的にライバルに差をつけられたとしても、焦る必要は全くありません。重点を置くべきなのは、体格にとらわれない体の使い方です。

 西尾監督はチームにトレーナーをつけ、正しく体を動かすためのトレーニングを練習メニューに取り入れています。効率的な動きが身につくと、無駄なくボールやバットに力を伝えられるようになります。

 体が小さくても、体の動かし方やトレーニング方法を覚えれば、高校生以降のカテゴリーに進んだ時に生き、怪我を予防する上でも重要になると話しています。

3-2負けず嫌いなこと

 西尾監督を含め、多くの強豪チームの少年野球の監督も挙げる共通点に「負けず嫌いな選手」がある。それは、ただ相手に打たれたり抑えられたりして悔しがる選手ではない。打たれたら次はどう抑える、抑えられたら次はどう打つかをすぐに考えることができる選手だと、西尾監督は話します。

 伸び悩む選手は「やらされてる感が強く、いいわけが先に出てくる子」が多く、上手くなるために何をすればいいか。監督・コーチの話を聞いて、まず実践する。「友達がこれだけやるなら、自分はもっとやる」という選手が伸びるのです。

3-3率先して「嫌なこと」をやる

 佐藤監督は「普段の行動を見ていると、選手の将来がイメージできます」と断言。例えば寒さの厳しい冬、練習後に率先してベースを水で洗ったり、グラウンド整備をしたりする選手は、中学での成長だけでなく、高校以降でも活躍しているケースが多いといいます。

3-4謙虚で真摯な保護者

 佐藤監督の教え子には、楽天の鈴木大地内野手ら3人がプロ選手に。その3人に共通していたのが「選手本人もですが、親御さんも控えめでした。小さい時から、親御さんの言動を見てきたからだと思います」と言います。謙虚で真摯な姿を子は見て育ち、野球でも好影響を与えたと考えています。

 もちろん過去の経験則なので「絶対とは言えません」と佐藤監督は補足します。ただ、仮に中学で急成長を遂げたからといってあぐらをかいていては、上達はそこでストップしてしまいます。裏を返せば、“中学だけで終わらせない”意識こそが、伸びる条件とも言えそうです。

4、野球が中学生で伸びる選手のまとめ

 成長期をきっかけに一気に伸びる選手になるためには、「体格にとらわれない体の使い方」と「負けず嫌いの精神」は不可欠。さらに、正しい考え方やトレーニングが成長を加速させます。

  First-Pitchでは、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT(ターニングポイント)」と連動。西尾監督をはじめ、元プロら各方面の専門家が50人以上参戦し、動画で練習ドリルなどを提供しています。 

 無料で200本以上の動画が見放題。初歩や基礎から、応用まで子どもたちのきっかけ作りになるはずです。少年野球の指導者・保護者はぜひ一度目を通してみてください!

■専門家50人以上が参戦「TURNING POINT」とは?


■TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード