新潟市の新潟クラウン江藤大雅監督「選手が困った時に助ける存在に」
指導者の役割は「攻略本」――。新潟市で活動する中学軟式野球のクラブチーム「新潟クラウン」は、選手が質問するまで指導者は動かない方針を基本にしている。分からないと言える環境づくりを重視し、創設4年目の今年は県大会に初出場した。
「なぜ子どもがテレビゲームに熱中するかというと、あれこれ口出しする人がいないからだと思います。大人が、ああだこうだ言わなくなれば、野球にも夢中になれるはずです」
2019年に新潟クラウンを立ち上げた江藤大雅監督は元々、小、中学生を対象にした野球スクールで指導者をしていた。選手を指導する知識や経験はある。しかし、質問や相談を受けるまでアドバイスすることはほとんどないという。
チームにおける大人の役割は、安全面の管理と練習場所の提供と強調する。環境を整えて必要以上に口出しをしなければ、選手は楽しみながら上手くなると考えている。江藤監督は「指導者はゲームで言えば攻略本、選手が困った時に助けられる存在でありたいと思っています」と話す。
江藤監督の方針はチームに浸透してきた。創部4年目の今年はクラブチームも中学の部活も参加する「第四北越銀行杯旗争奪新潟県少年野球大会」の地区予選で優勝し、初めて県大会に出場した。