運動神経と怪我の多さとの相関性は? 専門家推奨…リスクを減らす“2人1組ストレッチ”

公開日:2025.04.16

文:川浪康太郎 / Kotaro Kawanami

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トレーナー・松本竜生氏が推奨…怪我のリスク減らす“2人1組”ストレッチ

 運動神経が良ければ怪我をしにくい、というわけではない。ただ、運動神経の悪さが原因で起こる怪我は多々ある。関東を中心とした多数チームで指導するトレーナーの松本竜生さんは、「防げる怪我を防ぐ」ことを目的にあらゆるトレーニング方法を提案している。First-Pitchでは野球などのスポーツ界で活躍する専門家・トレーナーに子どもの「運動神経向上」をテーマに取材。松本さんの原点は、度重なる怪我に見舞われた自身の野球人生にあるという。

「例えば、難しい打球が飛んで来た時に、踏み込んでボールを捕ることができても、バランス感覚がなければ怪我をしてしまう。運動神経の良い子はバランス良く捕って次の動作に連結できますが、運動神経の悪い子は、踏み込んだ時にバランスを崩して捻挫してしまうんです。これは守備だけでなく、走塁の切り返しなどでも起こりうる。運動神経が大きく影響する怪我は少なくありません」

 運動神経の良し悪しにより怪我のリスクに差が出るケースは、ほかにもある。例えば運動神経が良い場合は、ピッチングの際に腕がどれだけ上がっているかを把握できるが、運動神経が悪い場合は自分が思っている以上に腕が下がっていることが多い。腕の位置を把握できていないまま投げ続けると、投球障害につながる恐れがある。

 また近年の子どもの特徴として、和式便所の使用頻度が減ったことなどを理由に股関節をうまく使えない傾向が強い。これも怪我の要因の1つで、上半身に頼りすぎたり、腕の力だけでボールを投げたりして故障する選手が増えているという。運動神経の良し悪しと怪我のしやすさの相関関係は一概には言えないものの、無関係ではないようだ。

親子でもできる「ペアストレッチ」で日頃から怪我予防を

 それでも、怪我のリスクを減らすために、すぐにできることはある。松本さんが怪我予防の一環として提案しているトレーニングの1つが、2人1組で体のセルフチェックを行う「ペアストレッチ」だ。例えば前屈した際に指が地面からどれだけ離れているかを互いにチェックし、どこの部位の硬さが原因で離れているかを評価し合う。その上で、太もも裏や腰回りのストレッチを2人で実施する。

 ペアストレッチは選手間で行うのが基本だが、親子で行うことも可能だ。松本さんは「親御さんからよく『うちの子がストレッチをしないんです』という相談を受けますが、できれば一緒にしてほしいです。『学校の宿題やったの?』と言われるのを不快に感じる子どもが多いように、大人も一緒になってやることが大切だと思います」と話す。

 松本さんは幼稚園の年長から大学1年の途中まで野球をプレーし、その間に計13回怪我をした。特に肩の怪我は重症で、両肩の手術を経験。「自分の肌感覚では野球人生の3分の1は怪我をしていました」と本音を漏らす。

 トレーナーになってから、「柔軟性があるが故に、可動範囲を越えた無理な動きをしてしまっていた」と自己分析。現役時代に気づけなかった後悔は少なからずある。だからこそ、怪我予防には全身全霊を尽くす。「自分もいろんな引き出しを持っていれば違った野球人生を送れたかもしれない。怪我をしない前提で野球がうまくなるような体作りを土台からサポートしたいです」と語る松本さんは、21日から開催されるイベント「運動神経向上LIVE」に出演予定だ。

松本竜生さんも登場…子どもの運動神経向上に役立つトレーニングを紹介!

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