基礎的な運動の要素を1つの動きで扱えるコアモビリティシリーズを紹介

 では、実際にCMSをやってみましょう。

(1)

1、片脚立ちになります。このとき反ったり、背中が曲がったりしないように注意します
2、右脚を上げて膝付近を左手で持ち、腰の高さに合わせて内側に引っ張ります
3、右脚の膝付近を今度は右手で持ち、腰の高さに合わせて外側に引きます
4、右足首を右手で持って後ろから引き、太ももの前面を伸ばします
5、右脚を後方へ上げ、右手で左足の爪先に触れ、背骨、膝、股関節を真っ直ぐに伸ばします
※1~5を両脚とも1回ずつ行いましょう

(2)


6、両脚を腰の幅に開き、肘を真っ直ぐに伸ばし両手を上げます。膝を曲げずに股関節を曲げ、両足の爪先にタッチします
7、背筋を伸ばした姿勢で、両足の爪先に触れたまま肘で膝の内側に触れ、深いスクワットの姿勢になります
8、腰をできるだけ低く、かかとは地面につけたまま、爪先は真っ直ぐ前に向け、片手ずつ天井に伸ばし目で追いかけます。これを左右1回ずつ行います
9、左足をできるだけ前に出して、同じように片手ずつ天井に伸ばし目で追いかけます
※足を入れ替えて、反対も行います

(3)


10、腕立て伏せの姿勢になり、プランク(肘を伸ばした腕立て伏せの姿勢)を20秒間維持します
11、左右5回ずつサイドプランク(プランクから片手を天井に向ける)を行います。左右の入れ替え時には、腕立ての姿勢を介して行いましょう

(4)


12、四つんばいの姿勢になります。この時、肩、腰、足首を90度に保ちます
13、姿勢を維持したまま、90度前方、90度側方へ10回ずつ上げます。四つんばいから脚を90度上げます
※左右10回ずつ繰り返します

(5)


14、膝立ちになって肩幅に脚を開き、足首を地面と90度の状態にして、両手でかかとをつかみます。握ったまま体を反らして股関節の前を伸ばします。この動作は滑らかに大きく5回繰り返しましょう
15、腕立て伏せの姿勢に戻ります。腕立て伏せを10回行います
16、その後、足を大きく左右に開き、深いスクワット姿勢になってから立ち上がります。そのまま10回スクワットを行います。肘を真っ直ぐに伸ばし、背筋が曲がらないように保ったまま行いましょう

 CMSは様々なスポーツアスリートを対象に行うことができますが、野球選手に対しては胸椎の可動性や回転動作に対する安定性を高めるために、深いスクワットとランジ(足を前後に開いた)姿勢での胸椎回転動作の回数を増やしたほうが良いでしょう。選手の状態や競技特性に合わせて内容を変えることもできます。やってみると自分がどの動作が苦手なのか知ることもできますので、ぜひ一度試してみてください。

▼参考文献
※1 Hauschildt Mitch et al. The Core Mobility Series: A Dynamic Warm-up Tool. Strength and Conditioning Journal. 2014, 36(5), 81-87.

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