1年で“遠投力”が20メートル伸びた? 塁間の送球練習でも肩は強くなる

公開日:2022.06.03

文:First-Pitch編集部

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中学2年から3年で遠投距離が75mから95mに伸びた例も

 走者を刺す送球は味方の投手を助け、相手の勢いを止める。少年野球の子どもたちは肩を強くしようと、練習に遠投を取り入れるケースが多い。ただ、短い距離の送球練習でも肩を強くできると考える指導者もいる。First-Pitch編集部が、指導者の勧める練習法を紹介する。実際に練習を取り入れて、1年間で20メートルもボールを投げられる距離が伸びた中学生の軟式チームもある。

 マリナーズで会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏の現役時代に代名詞だった「レーザービーム」。ソフトバンク甲斐拓也捕手の速くて正確な送球を表現する「甲斐キャノン」。強肩で走者を刺すプレーは華があり、少年野球の子どもたちも憧れる。

 一般的に肩を強くする練習としては遠投をイメージするだろう。しかし、塁間の距離でもポイントを抑えれば効果がある。大切なのは「体全体を使って全力で投げること」。ボールを投げる時に大きくステップを踏んで、体を弓矢のようにしならせて強く投げる。ボールに無駄なく力を伝えられるように、バランスが前後左右にブレないように気を付ける。

 送球の距離は塁間と短くても、全身を使ったフォームが身に付くと、ボールを遠くまで投げられるようになる。遠投では、塁間での練習と同じ感覚で斜め45度くらい上向きにボールを投げれば、距離が出やすい。この練習を1年間続けた中学生軟式チームでは、2年生で平均75メートルだった遠投の距離が3年生で95メートルまで伸びた例があるという。

 肩を強くするために、もう1つ大切なのが筋力を上げるトレーニング。特に重要なのが肩周りの強化で、ゴムチューブを使ってインナーマッスルを鍛えたり、ダンベルなどを使って肩から腕にかけた筋力や握力を鍛えたりするのが効果的だ。遠くにボールを投げるには体全体を使うので、腹筋、背筋、スクワットといった体幹や下半身を強化する基本的なトレーニングも必要になる。

 強肩と称されるプロ野球選手も、最初から100メートルを超えるような遠投ができたわけではない。憧れのプレーに近づくには、効果的な練習と筋力を上げるトレーニングが欠かせない。

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