
野球に必要なスピードと敏捷性…2人の人気コーチがイベントで徹底解説
足の速さは才能ではなく、正しい理解とトレーニングで成長する。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が25日、競技力向上に欠かせない能力や“センス”を磨く、5夜連続のオンラインイベント「運動神経向上LIVE」を開催。イベント最終日のこの日は、野球塾「Athlete Design」の代表を務める松本竜生さんと、ランニングトレーナーの村田和哉さんが登場し「プレーに繋がる脚力(スピード)」について語った。
足が遅い、1歩目が遅れる、反応が鈍い……。そんな悩みを持つ球児や指導者は多いのではないだろうか。SNS総フォロワー30万人超の“走りのお兄さん”として人気を集め、全国各地でスプリント指導を行っている村田さんは、「足の速さは才能ではありません。正しい走り方を理解すれば全員変わる」と断言する。
成長期の子どもたちにとって、足の速さは身長・体重といった体格差の部分が関わってくるが、コツさえ掴めば必ず成長するという。速く走れない選手の特徴として村田氏は、「体の後ろ側で蹴り上げる動きがある」と指摘。大事なのは、着地の瞬間にどれだけ大きな力を地面に加えることができるかだと言う。
「理想は、着地した瞬間に(振っている)手と足が体の中心にそろっていること。そして、野球選手は足の力は強いので、“蹴る”のではなく“戻す”意識を大事にしたほうがいい。地面を蹴るイメージは捨てたほうがいいでしょう。股関節の動きで言えば、伸ばすではなく曲げる。“屈曲”の意識が大切です」
足が速くなるための方法は「膝の真横にかかとをしっかり通す」

そこで、村田さんは自宅でも可能な足が速くなるドリルを紹介。まずは足の上げ方。両足をそろえて立ち、軸足に沿って片足を真っすぐ上げ、かかとを軸足膝の真横につける。横から見ると上げた足の膝を頂点にコンパクトな三角形ができており、これが基本の形となる。次は走りにより近づけるため、片足を後ろに引き、腕振りを入れながら前に引き上げる。その際、かかとを軸足膝の真横を通し、最後に三角形を作るのがポイント。爪先を進行方向に向けるように注意したい。
「これで股関節の屈曲動作ができ、なおかつ膝が畳めている。これが走りの基本の動きです。子どもたちに、足を素早く前に持ってきて膝を上げろ、と言うだけだと個人の感覚に差がある。もっと、具体的な言葉で伝えると、正確にいい練習ができると思います。『膝の真横にかかとをしっかり通して』だけでもOKです」(村田さん)
足の速さと共に必要なのが敏捷性(アジリティ)。真っすぐ走るのは速いが、違う動きが加わると一気に動きが鈍くなる子どもは多い。アジリティトレーニングのスペシャリストである松本さんは、マーカーコーンを使って素早い動作を身に付ける練習方法も伝授していた。
足の速さにアジリティが加われば“走攻守”のスキル向上に繋がる。生まれ持った才能やセンスではなく、正しい知識で身体を鍛えれば必ず成果は表れる。子どもたちの伸びしろは無限の可能性を秘めている。
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