仙台育英時代は157キロ記録…現在はBCリーグ埼玉武蔵で投手兼任コーチ
ルートインBCリーグ・埼玉武蔵の由規投手兼コーチは、仙台育英高で最速157キロを計測し、ヤクルト時代には当時の日本人最速161キロを記録した。身長179センチと決して大柄ではない体で、なぜ剛速球を投げられるのか。少年時代の練習法、体の使い方や考え方には、速い球に憧れる少年野球の子どもたちへのヒントが詰まっている。
由規は、硬式野球チームで小学4年生から野球を始めた。グラウンド以外で硬式ボールを使って練習するのは難しかったが、おもちゃのゴムボールやテニスボール、ドッジボールなど、大きさや重さが異なる様々なボールを投げていた。
「年齢が上がってくると、見た目でボールの重さは大まかに分かります。自然と重さに合わせた体の使い方をするようになるのですが、子どもの頃は、どんなボールでも、がむしゃらに全身を使って思いきり投げます。それが、意外と大事なんです」
大人になれば、小さかったり軽かったりするボールは手首や腕の力だけでも速く投げられる。ところが子どもは、どんなボールでも体を大きく使って投げる。大きかったり、重たかったりするボールは、全身を使って力を伝えようとする動きが、野球で速い球を投げる上で大切になるという。
「子どもの頃にやっていて特に良かったと思うのがドッジボールです。野球のボールと違って指先だけでは掴めません。速く投げるには、体全体を使います。こうした動きは体が大きくなってからする機会は少ないんです。子どもの頃にやっていたボール投げが、結果的に体をつくったんじゃないかと思います」