どうすればホームランを打てる? 本塁打王の“気づき”…技術以前に大事な「全力」

公開日:2023.12.12

文:内田勝治 / Katsuharu Uchida

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楽天・浅村栄斗が少年野球教室参加…質問に明快回答「練習からフルスイングを」

 本塁打を打ちたい――。野球を始めた際、叶えたい夢の一つとして掲げる子どもたちも多し、打たせたい保護者や指導者も多いだろう。それでは、どうしたら本塁打が打てるのか。パ・リーグ本塁打王の答えは単純明快だった。

 今季、26本塁打で3年ぶりの本塁打王に返り咲いた楽天の浅村栄斗内野手が、3日、東京・西東京市の早大・安部球場で開催された、西東京市、小平市、東久留米市の少年野球チームを対象とした「GRAFARE(グラファーレ)ジュニア野球教室」(タクトホーム株式会社主催)に参加した。子どもたちからは「ホームランはどのようにしたら打てますか」の質問が飛ぶ。浅村は「ホームランを打つのは、僕も難しいんですけど…」と苦笑いしながらも「練習からフルスイングすれば打てると思う。常にそこを意識してやってください」とアドバイスした。

 小さい頃からフルスイングを勧めるのには訳がある。浅村自身、「小学校の時とかはフルスイングをするということは全く考えたことがなかった」という。ボールを遠くに飛ばすということよりも、まずは形にこだわったスイングを身に付けようとした。

 しかし、大阪桐蔭時代に“振る力”の必要性に気づき、フルスイングを心がけるようになった結果、高校通算22本塁打をマーク。西武、楽天とプロ15年間で283本塁打を放つなど、パ・リーグを代表する強打者へと成長を遂げた。

「僕は小さい頃から格好が大事だと思っていたんですけど、そうじゃなくて、技術よりも、まずは振る力だったり、体力を身につけてほしい。練習からフルスイングができるようにしないと、試合ではそう簡単にできません。今からやれば大きくレベルアップできると思います」

守備に関するアドバイスもシンプル「“遊び感覚”でやろう」

守備について子どもたちに指導する浅村【写真:荒川祐史】

 高校時代は遊撃手、そしてプロでは一塁手、二塁手として鍛え上げ、ゴールデン・グラブ賞を2度獲得した守備の教えもシンプルだ。「守備は“遊び感覚”でやろう」「腰を低くしようとは思わずに、グラブが地面につけば大丈夫」「何でも前に出るのではなく、打球に応じて判断するのが大事。プロもそれを意識してやっているよ」。教えの通りに実践してうまく捕球できた子どもたちの表情も、自然とほころぶ。

 本塁から左翼へのロングティーではフルスイングの手本を見せ、軟球をいとも簡単に110メートル先の防球ネットまで飛ばしてみせた。一流プロが描いた放物線を目標に、全力でバットを振る選手も多くいた。

「早くから気づくことができるというのは、すごくいいことだと思います。小学生のうちから聞けない話とかもプロの選手に聞けるというのは良い経験。いろんな経験をして、引き出しを見つけていってほしいなと思います」

 まずは何事も全力を出し切ることが、上達への近道。そうすれば、本塁打だって打てるようになる。

【次ページ】【実際の映像】これぞ一流の見本! 軟球をいとも簡単に…楽天・浅村が実演した豪快フルスイング

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