今季阪神コーチを務めた藤井康雄氏は現在「神戸中央リトルシニア」で指導
現役引退後に「4スタンス理論」を学び、マスター級トレーナーの資格も取得した元オリックス主砲・藤井康雄氏は現在、「神戸中央リトルシニア」で打撃を教えている。現役時代に282本塁打を放ち、オリックス、ソフトバンク、阪神でコーチを歴任。T-岡田、松田宣浩、吉田正尚らを育成、その理論を駆使した指導には定評があるが、中学生に対してもそれを活用。うまく体を使えるように、軸をつくるトレーニング、タイプ別のセッティング……。時にはプロ野球選手を例に挙げることもあるという。
「4スタンス理論」はスポーツ整体「廣戸道場」主宰の廣戸聡一氏が提唱するもので、人間を骨格の特性から4つのタイプに分類する。立っているときのバランスをとる足裏のポイントが、爪先寄り内側は「A1」、爪先寄り外側は「A2」、かかと寄り内側は「B1」、かかと寄り外側は「B2」となる。藤井氏は「マスター級トレーナー」のライセンスを2013年に取得。2022年には廣戸氏の一番弟子の小杉英紀氏との共著で「野球4スタンス理論 打てる理由、打てない理由」(ベースボール・マガジン社)も出している。
そんな藤井氏が取り組む中学生への打撃指導はどういうものか。「教えることはプロの選手と変わらないですが、やっぱりまだ体の力がないので、体をうまく使えるようにしなければいけない。スイングよりも、その前のトレーニングであるとかね」と言う。そのひとつが「軸をつくるためのトレーニング」だ。
「例えば頭を止めて、体だけ動かしたりとかね。軸は自分の首幅なんですが、これをどうやって使っていくかということ。頭が動いたら軸はできない。頭が止まって体がどう動いてくるか、そういう動き方ができるようになるためのトレーニングです。自分の体幹が『自分が意識しながら動いているな』というようなことが感じ取れればしめたものですね」。それが技術向上にもつながっていくという。