野球はトーナメントに不向き 元甲子園球児がドミニカで得た“新常識”とは?

2021.11.19

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新潟・明訓高で甲子園に出場、阪長友仁さんが提案した高校野球のリーグ戦

 当たり前のように受け入れている少年野球や高校野球の在り方に、変化は必要ないのか――。人気漫画「ドカベン」のモデルにもなった高校の出身で、夏の甲子園では本塁打も放った阪長友仁さんが提案した高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」が、全国に広がっている。その理念は、「勝利至上主義」からの脱却だ。

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「高校野球=甲子園」という考え方が近い将来、変わるかもしれない。2015年に大阪の6校で始まった「Liga Agresiva」は今、13都府県の約80校まで拡大している。リーグを主導するNPO法人「BBフューチャー」で理事長を務める阪長さんは、一発勝負のトーナメント制が常識の高校野球に一石を投じた。

「日本の中高生は他の国と比べて、圧倒的に経験が少ないと感じていました。日本の野球を否定するのではなくて、より良くするためにリーグ戦も必要だと思っています」

 40歳を迎えた阪長さんは、アマチュア球界のど真ん中を歩んできた。「ドカベン」のモデル校としても知られる新潟・明訓高で夏の甲子園に出場。進学した立教大では、野球部の主将を務めた。強豪でしのぎを削り、勝利を目指してきた競技人生。違う視点で見るようになったのは、24歳で野球への恩返しを決め、務めていた会社を辞めてからだった。

「動ける時に何かをやらないと後悔する気がしました。でも、急にはやりたことを具体的に思いつきませんでした。野球は世界ではマイナー競技なので、野球が盛んではない地域に行って、おもしろさを伝えることが何らかのアクションなのではないかと思いました」

 知人との縁で南アジアのスリランカへ向かい、ボランティアで野球のコーチを務めた。練習初日。早速、常識が覆された。日本では当然の自己紹介より先に、子どもたちは「野球を教えてほしい」と駆け寄ってきたのだ。

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