1万円で軟式用グラブを硬式用にリメイク 保護者も選手も喜ぶ新設シニアの取り組み

公開日:2022.06.05

更新日:2023.12.26

文:川村虎大 / Kodai Kawamura

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グラブ再生工房と提携、軟式用グラブを硬式用にリメイクしている

 保護者にも子どもたちにもメリットのある“模範”になるかもしれない。今年4月に活動を開始した中学生硬式野球チーム「多摩リトルシニア」では、選手が軟式用のグラブを硬式用にリメイクしてプレーしている。野球には不可欠な用具だが、価格は決して安くない。保護者の経済的負担を和らげるだけではなく、子どもたちが用具を大切にする気持ちも育まれている。

 少年野球をしている子どもたちが中学で野球を続ける際、軟式と硬式どちらを選ぶか考える。保護者も同じように悩む中、硬式の選択をためらう理由の1つが金銭的な負担だろう。硬式用グラブは高いもので6万円を超えるものもあり、価格は軟式用の2倍ほどだ。

 費用面の問題を解決しようと、珍しい取り組みを導入しているのが東京・多摩市で活動する中学生硬式野球チーム「多摩リトルシニア」。今年4月に発足し、メンバー22人のうち20人が1年生で硬式の経験はない。

 グラブの再生工房「Re-Birth」と提携して、チーム単位で軟式用グラブを硬式用にリメイクしている。価格は約1万円。硬式用グラブに買い替えるより大幅に費用を抑えられる。Re-Birthの古屋政己さんは「少しでも保護者の負担を減らしたいと思いました」と語る。

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