子どもの未来を潰しかねない“心ない一言” 指導者が発してはいけない言葉とは

公開日:2022.12.20

更新日:2023.11.10

XFacebookLineHatena

野球講演家・年中夢球さんの経験談、子どもの可能性を信じ抜いた結末

 指導者の心ない言葉が、子どもの可能性にふたをすることを知ってほしい。リトルリーグなどで約20年、野球の指導者として活動した人気の野球講演家・年中夢球(ねんじゅう・むきゅう)さんは、あるコーチの一言で自信を失いそうだった子を救ったことがある。その子は大学まで野球を続けた。「選手に絶望を与える言い方」は許し難い。“指導者の悪”とも言える。

「お前はそこに行っても通用しない」。少年野球の指導者時代、そのコーチが次のステージを考える小学5年生に言っていた言葉を今でも忘れない。年中夢球さんは怒りを必死に抑えていた。同じ指導者として情けない。「可能性を見つけるのがコーチの仕事。『使い物にならない』『何をやっても無駄』とか、可能性を潰す指導者がいたら『お前が辞めろ』といってやりたいですね」。

 確かに野球は上手ではなかったかもしれない。しかし、年中夢球さんは、その子の良さを見つけていた。休み時間に遊びで投げていたサイドスローのボールは「めっちゃいい球がいっていたんです」。投手をやらせることを決め、次の日から実行した。

 本人もその両親もこの発想には驚いたようだが、強い信念が年中夢球さんにはあった。「彼は『サイドスロー列伝』というような本も読んで、勉強するようになったとその子の親から聞きました」。サイドスローの能力を発揮し、6年生の頃には、2番手投手になるまでに成長したという。

辞めなかったサイドスロー、最後まで貫いた理由

 中学、高校と進み、その子は投手で野球を続けた。何度かサイドスローを辞めることを指導者に進言されたことがあったが、首を縦に振ることはなかったという。年中夢球さんは「彼は『サイドスローの才能を見つけてくれた小学校の時の指導者のために、最後までサイドで行くんですと言い続けたみたいです。私はそれを思い出すだけで、泣いてしまいそうになります」。

 その教え子が迎えた高校3年の夏の公式戦。年中夢球さんは電話をもらった。

「最後になるかもしれないので、見に来てください。僕がここまで来られたのは本間さん(年中夢球さんの本名)のおかげなので」

 その試合、彼はKOされ、敗れた。だが、自慢のサイドスローは最後まで貫きとおした。その生き様を年中夢球さんはその子の親と一緒に、目に焼き付けた。

 指導者が可能性を信じて、導いた結果だった。

「自分なんかはその子の親じゃないですけど、なんか高校球児の親にさせてもらった気分でいます。本当に一生懸命投げてくれたんでね。大学まで野球を続けて、最後はエースになりました。少年野球の時は一番、泣いていた子。あんなに泣き虫だったのに……」

 その子の両親にとっても、年中夢球さんにとっても、高校球児が“孝行球児”になった忘れられない夏となった。

年中夢球氏も参加…指導・育成動画が無料登録で動画200本以上が見放題

 年中夢球氏も参加している野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも200本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、指導者の悩みを解決するトップ選手を育成した指導理論だけでなく、保護者の悩みに寄り添う子どもとの向き合い方なども紹介しています。

専門家50人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

(First-Pitch編集部)