少年野球の“熱中症リスク”はどこに潜む? 服装、守備位置…猛暑に備える具体策

専門家が「野球指導者講習会」で語った最新の熱中症対策
まもなく夏本番を迎えるが、今年は早い時期から平年よりも気温の高い日が多くなっている。野球は熱中症リスクが高い競技だからこそ、大人が新しい知識を学ぶことが大切だ。今年初めに東京都内で開催された「野球指導者講習会」での専門家の言葉から、最新の知識をまとめて猛暑に備えたい。
・野球の長い試合やユニホームは体にどう影響するのか。
・特に熱中症になりやすいポジションはどこか。
・体の温度を効率的に下げるには、どの部位を冷やすべきか。
花咲徳栄高の岩井隆監督は、野球が他競技より熱中症リスクが高いと述べている。その理由は、長時間の試合やユニホームで、安全のために下半身がズボンなどで覆われるからだ。そこで、チームでは練習前には半袖・短パンでの準備運動を認めたり、個人に進め方を任せたりするなどの工夫を取り入れている。体力がまだ足りない学童野球ほど、夏場の練習は15分に1回休ませるなどの対策が重要になるという。子どもの健康を守るためにも、昔の常識にとらわれず大人が知識を新しくしていく姿勢が欠かせない。
国際武道大学の笠原政志教授は、熱中症を防ぐには深部体温(体のなかの温度)を39度以上に上げない対策が重要だと語る。プロや子どもの試合での調査から、動く量が多い投手や、プロテクターをつける捕手は特に体温が上がりやすいポジションだと指摘。学童野球では2027年から同一試合での投手・捕手兼任が禁止されるが、熱中症を防ぐ意味合いでも大きいと言える。笠原氏は、熱中症予防には、「アイススラリー」の活用や、朝ご飯を食べることや睡眠といった普段の体調管理がとても大切になると語っている。
深部体温を下げるための具体的な現場対策として、日本スポーツ協会の青野博スポーツ科学研究室長は、手のひらを冷やす「手掌冷却が効果的」だと語っている。15度〜20度程度の水をバケツに用意し、15分ほど手を浸けるやり方だ。氷を大量に入れる必要はなく、サウナの水風呂程度の水温にするのが目安。首や脇の下などは血管が太いため、実はそれほど冷却には効率的ではないという。指先の感覚が変わるのを心配をする投手もいるため、本番の試合で急に試して失敗しないよう練習などで実践してみたい。
専門家の工夫を参考に、子どもの健康を守る対策を進めることが大切だ。前もって試しておくことで、夏本番での熱中症予防もしやすくなる。
・肌を覆う服装が熱中症を招きやすいため、練習内容によっては半袖短パンを容認する。
・よく動く投手や防具をつける捕手が特に高リスクのため、細心の注意を払う。
・深部体温を下げるには、手のひらを水で冷やす方法が効果的だ。
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