渡邊元美さんは2018年まで横浜高の寮母、専門学校で栄養士の資格取得
ゲン担ぎや激励の食事は、選手のためになっていなかった。横浜高野球部で寮母をしていた渡邊元美さんは、栄養学の勉強をしてから、食事を出すタイミングと内容を深く考えるようになった。試合で最大の力を発揮するためには、試合前日にかつ丼やステーキを食べるのは適していないという。
渡邊さんは1996年から、横浜高の野球部で寮母をしていた母・紀子さんの手伝いを始めた。5年ほど修業し、母から寮母を引き継いだ。はじめは3食バランス良く時間通りに出すことで精いっぱいだったが、少しずつ余裕が生まれて栄養について勉強するようになった。
「選手たちの体づくりをサポートするには、自分自身に知識が必要だと感じました。食事や栄養に関する質問にも答えられるようになりたいと思いました」
現在楽天でプレーする息子の渡邊佳明内野手を育てながら、渡邊さんは2003年に専門学校へ入学。2年間通学して栄養士の資格を取り、それまでに提供していた選手の食事を見直した。
渡邊さんが大きく変更した1つは、公式戦前日の食事だった。栄養学を勉強する前は、ゲン担ぎのかつ丼や、差し入れのステーキを選手に出していた。激励する意味を込めたメニューだったが、ベストな食事ではなかった。渡邊さんはこう説明する。
選手の要望に応える弁当 食欲落ちる夏場は麺類+おいなりさん
「試合前はできるだけ内臓に負担をかけないことが大事です。脂質も落とした方がいいので、同じ牛肉を使うにしてもステーキよりもしゃぶしゃぶにします。鶏肉料理であれば、唐揚げよりもチキンソテーの方がいいです。調理法で油の量を減らします。かつ丼やステーキは試合後に出すようにしました」
試合の開始時間によっても朝食のメニューは変わる。午前9時に始まる第1試合の場合、選手は普段通り主菜、副菜、汁物といった朝ごはんを食べる時間はない。食べ物の消化には3時間かかることを考えると、午前6時には食べ終えなければならない。選手は試合前に朝練をするため、時間をかけずに必要なエネルギーを補給したいのだ。第1試合が組まれた時は、渡邊さんはおにぎりを準備した。
選手の要望を取り入れてメニューを考える時もあった。週末や長期休みの練習ではグラウンドに弁当を持っていくが、渡邊さんはエネルギーが不足しないように、白米を多めに詰める。ただ、夏場は弁当を残す選手が多かった。「暑い日は白米を食べるのがきついです」との要望を受け、白米の代わりに麺類を入れ、自分のタイミングで食べられるようにおいなりさんや小さなおにぎりも付けた。麺類だけでは不足するエネルギーを補う工夫だった。
食事は選手たちの体を作る大切な要素となる。ただ、いつ、何を食べるのかタイミングを誤ると、効果は薄れてしまう。
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