女子野球全国3位も「井の中の蛙ではダメ」 元甲子園球児の“否定しない”育成論
天理高で春夏甲子園に出場した西岡弘毅さん…現在は2人の“球児”を育てるパパ
厳しいだけの指導では成長につながらない。“元甲子園球児”のパパは時代に沿った育成論で2人の球児をサポートしている。小学6年生の長女・望乃(のの)さん、4年生の長男・一興(いぶき)くんを育てる西岡弘毅さんは「自分の好きな人生を歩んだらいい。強制させることはないです」と、子どもたちの成長を見守っている。
「まさか娘が野球をやるとは思ってもみませんでした。ただ、やるからには『女の子だから』と周りから気を遣われないようにしなさいと伝えました」
望乃さんが野球を始めたのは小学4年生の時だった。当初は奈良の学童野球チーム「桜井西ブラックベアーズ」でプレーする弟・一興くんの付き添いだったが、指導者から「チームの人数も少ないので一緒にやらないか?」と、誘いを受け入部を決意したという。
西岡さんは天理高で2005、2006年に計3度、甲子園出場を果たした“斎藤佑樹世代”。卒業後は奈良産業大を経て軟式の強豪・佐川印刷でプレーした根っからの野球人。娘が野球を始めた時は驚いたというが「本人がやりたいことをやればいい。元々、男子の友達も多くて、男子にまじってプレーすることも窮屈に思っていなかった。性格も負けず嫌いで『弟にできて、私にできないことない』って感じでした」と笑う。
長女・望乃さんは「オール奈良」の一員としてNPBガールズトーナメントに出場
名門校出身の父からの指導もあり、2人は日に日に実力を上げ、野球歴2年ながら望乃さんは主将を務めるほどに成長した。今年7月に行われたNPBガールズトーナメントでも「オール奈良」の「2番・遊撃」として、チームを3位に導く活躍を見せた。
現役時代は厳しい環境でプレーしてきた西岡さんは、女子選手の指導には「接し方など凄く難しい部分もあった」と、当初は苦労したという。ただ、自身の野球人生を振り返り「プレーに関して否定することは言わない。まずは自分の思うようにやればいい。怪我だけはしないように。1週間の1日は完全オフを作って勉強や遊びの日にしています。野球で使った筋力を休ませる意味も込めて」と、無理のない指導を心掛けている。
野球が大好きな子どもたちの“成長日記”は、インスタグラムのアカウント「koki.nishioka」で投稿し、今ではフォロワーが6000人を超えるほどになった。技術ではなく体の土台作りに重点を置く西岡さんの指導法は、球児を持つ保護者から注目を集めている。
「基礎の形ができないと技術は100%体現できないと思っています。まだ、小学生なので評価されていると思いますが、将来どうなるかのほうが大事。私も中学までは誰よりも上手いと自負はありましたが、高校に入ればついていくのがやっとでした。“井の中の蛙”ではダメ。子どもたちプレッシャーを与えないように一緒に成長していきたい」
野球を通じた人間教育も大切にする西岡さん。焦らず、慌てず、一歩ずつ。子どもたちの“夢”をサポートを続けていく。
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