スポーツメンタルトレーニング指導士の筒井香さん【写真提供:株式会社BorderLeSS】

ネガティブは感情は必要なもの、イライラする理由に気付くのが第一歩

――感受性豊かな10代は感情のコントロールが難しいと思います。特に、ネガティブな気持ちをどのように抑えればいいのでしょうか?

「ネガティブな感情は大人もマイナスに捉えがちですが、感情は生きるために必要なものと考えられています。なぜ人類は生き残ってきたのか、進化の中で絶滅しなかったのかというと、ネガティブな感情をうまく使えたからということも考えられます。危ないと感じたら逃げる、危険に備えるというように、ネガティブな感情は優秀な証です。ネガティブな気持ちになった自分をネガティブに考えるのではなく、ポジティブに受け止めるのが大事になります。

 友達と喧嘩したら、イライラしたり落ち込んだりしますが、それには理由がありますよね。仲良くしたかったからかもしれませんし、自分の思いを伝えたかったからかもしれません。そこに気付くのがすごく大切なんです。子どもの時は、何にイライラしているか自分でも分からないことが多いと思います。イライラする人に問題があるわけではなく、何かが欠けているわけでもありません。ゆっくり考えて、イライラしている理由に気付くのが、感情をコントロールする第一歩となります」

【次ページ】感情を言葉にするのが大事、大人が先走るのはNG

トレンドワード