現役続行に心迷うも…ジュニア指導者に転身のワケ 北の大地で抱いた“プロへの憧憬”
ライオンズアカデミーコーチの元西武・戸川大輔氏が伝える「継続する大切さ」
2022年限りで現役を引退した元西武の戸川大輔氏は、2023年からライオンズベースボールアカデミーのコーチを務めており、「毎日新鮮で楽しいです」と笑顔で充実した日々を送っている。指導する子どもたちに最も伝えたいのは、「決めたことを継続すること」だと語る。
2014年ドラフトで育成1位で西武に入団した戸川氏は、2016年に支配下昇格を勝ち取り、1軍で通算28試合に出場。2022年に戦力外通告を受けた際には現役を続けるか迷ったというが、アカデミーコーチのオファーがあり、引き受けることにした。
北海道出身で、自身も小学生の時に日本ハムジュニアでプレーした経験がある。元プロの監督・コーチたちは、憧れの存在だった。「みんな体が大きくて、現役の時はテレビで見ていた人たちでした。すごくいい時間を過ごせました」。今度は自分がその立場になると考えると、うれしかった。
戸川氏は、小学校2年生の時から欠かすことなく行ってきたことがある。毎朝のランニングだ。雨の日も、雪の日も休んだことはないという。
「自分がなぜ『ランニングをする』と言い出したのはかは覚えていませんが、どんなことでも『決めたことは続けなさい』と父親に言われました。サボろうとすると、実家の牧場の厩舎から見えているようで怒られる。中学生になると朝早く起きるのが億劫になるんですけど、怒られたくないのでやっていましたね(笑)。そのうちに、走ることが当たり前になっていきました」
そこで学んだ「決めたことを毎日繰り返す」大切さは、プロになってからも生きた。「全体練習後の個人練習は自分で考えてやるのですが、疲れているときはきついんです」。それでも、逃げずに乗り越えられたのは、子どもの頃からの習慣があったから。だからこそ、今教えている子どもたちにも、継続する力を身に付け、大切にしてほしいと語る。
「楽しい」と感じている時との大きな差…練習にも工夫を凝らすなど勉強の日々
アカデミーに来る子どもたちは、伝えたことを素直に聞いてくれる子が多いが、その分、「楽しい」と感じている時と、そうでない時の差がわかりやすいという。そのため、「1つの練習を長くやると集中力が続かないので、時間を短くしたり、時間内でいろいろなメニューを取り入れたり、なるべく飽きさせないように工夫しています。(競争などの)勝負事の要素を入れたりするのが、子どもは好きですね」。楽しいと思ってもらえる時間を作れるように、日々勉強中だ。
小さい頃に習慣づいた「決めたことを続ける」意識が、大人になり財産になった。子どもたちにも、アカデミーを通じて「自身の糧となるものを見つけてほしい」と願っている。
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