恐怖心を克服して決めたスリーバントスクイズ 妙法寺少年野球部主将・橋口豪くんの“新境地”

文:First-Pitch編集部

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消極的な姿勢から脱却…決勝戦でスリーバントスクイズを決められた“背景”

 子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する新企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫の学童チーム「妙法寺少年野球部」の主将・橋口豪くん(6年)です。

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 かつては“失敗への恐怖心”から積極的なプレーができず、萎縮することもあった。しかし、現在の彼は打席で追い込まれても、揺るがない自信に満ちている。5月に行われた「高野山旗兵庫予選」の決勝戦。大舞台の重圧の中、己の弱さと向き合い重責を果たした姿があった。かつての消極的な自分を乗り越え、確かな一歩を踏み出した軌跡を追う。

「前まではビビッて、積極的なプレーができなかったけど。試合では思い切って自分のプレーができた。サインを見た時に『またか』と思ったけど、不安はなかったです」

 香寺クラブジュニアとの決勝戦。1点リードの3回、1死三塁の好機を迎えた。打席に立つのは背番号「10」を背負う橋口くん。2ストライクと追い込まれた絶体絶命の場面で、ベンチから再びスクイズのサインが出た。一瞬戸惑いながらも、父から教わった顔とバットの位置を冷静に思い出す。強い決意できっちりボールを転がし、貴重な追加点をもたらした。

 試合は惜しくも敗れたが、背中で引っ張る橋口くんの姿はナインに勇気を与えた。劣勢でも「チームの顔で常にキャプテンは落ち着いてプレーし、全体を見ないといけない」と、グラウンドに立ち続けた。

 試合は最終回に逆転サヨナラ負け。2-3というスコア以上に、右翼手として最後の打球へのカバーが遅れた事実は、主将の心に深い悔恨を残した。しかし、宮口幸弥監督は「野球に対して真っすぐで、一番ガッツがある選手です」と、厳しい環境下で見せたひたむきな姿勢を高く評価する。

 全国大会には一歩届かなかったが、敗戦直後の練習から選手たちの目の色は変わったという。外野ノックでは、次の展開を想定し、全力でカバーに走る姿が見られるようになった。敗北の痛みを経て、全員でミスを補い合う精神が芽生え始めている。

 精神的にたくましさを増した主将は、細かいプレーを確実に成功させ、チームを勝利へ導く背中を見せようと誓っている。「試合に出る出ないに関わらず、苦しい時こそ気迫や声で牽引してほしい」という指揮官の願いを受け止め、熱い闘志を胸に秘める。野球の厳しさを味わった少年たちは、昨日の悔しさを今日の力に変え、明日の大舞台へと走り続ける。

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