
苦しいリハビリ期間で育まれた“仲間を思いやる心”
子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫の学童チーム「妙法寺少年野球部」の宮口英樹くん(6年)です。
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宮口くんはかつて、チームを牽引するエースだった。しかし、昨年11月に右肘痛を発症し、長期間にわたりボールを握ることすら許されなかった。野球ができないもどかしさに苦しんだ日々を経て、復帰戦となる「高野山旗兵庫県予選」の舞台に彼は立った。以前なら自身の不調に苛立っていたかもしれない。しかし今は、打てなくてもエラーで落ち込む仲間に寄り添い、チームの雰囲気を切り替える前向きな声掛けができるようになった。
決勝の香寺クラブジュニア戦。全国大会出場をかけた大一番で「4番・左翼」として出場したものの、重圧からスイングが固くなり4打数無安打。試合も2-3で惜敗した。しかし、大きな収穫もあった。これまでは相手チームの大きな声援に萎縮してしまうこともあったが、この決勝戦では雰囲気にのまれることはなかった。
「結果を残すことはできませんでしたが、相手の応援に惑わされることなく、いつもの自分のプレーができた。投げられない期間は辛かったですが、その分、下半身などを重点的に鍛えることができた」
ノースローの期間中も、決して腐ることはなかった。走り込みや柔軟体操など、地味な基礎トレーニングを黙々とやり切った経験が、強靭な精神力を作り上げた。現在は打撃の強化にも取り組んでいる。生来の引っ張る力を活かしつつ、ポイントを前に置いて逆方向にも強い打球を飛ばす練習を繰り返す。
宮口くんはここまで通算9本塁打をマークしている。コースに応じて打ち分ける技術を磨き、卒業までの半年間で2桁本塁打を目標にバットを振り続けている。
宮口幸弥監督は、苦しい時期を乗り越えた教え子の姿に目を細める。「怪我で野球ができない期間を経験したことで、野球への情熱を取り戻し、野球ができる喜びを感じながらプレーしている」と評価。努力を継続できたことが精神的な成長に繋がったとし、今後は責任感ある打者への飛躍を期待している。痛みを乗り越えて得た仲間を思いやる心は、これからの彼をさらに強くするはずだ。
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