リトル日本一へけん引した“二刀流主将” 脱帽すれば驚きの個性…強烈すぎる存在感

更新日:2026.07.22

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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リトルリーグ日本一へ投打にけん引…城東リーグ主将・矢澤天靖投手

 プレーと風貌で強烈な存在感を示した。少年硬式野球リトルリーグメジャー部門の日本一を決める「文部科学大臣杯JA共済トーナメント 第60回全日本リトルリーグ野球選手権」は19日、千葉県成田市のナスパ・スタジアムで決勝戦が行われ、城東リーグ(東京連盟)が延長8回の激闘の末、千葉リーグ(東関東連盟)に22-5で勝利。2年連続の優勝を果たした。

 延長8回に一挙17得点。主将の2番・矢澤天靖投手(中1)も左翼線に痛烈な2点二塁打を放った。投げてもその裏を無失点に抑えて日本一を達成。投打で存在感を発揮し「最高過ぎて、脳汁がヤバいです。苦しい試合だったけど、みんなを頼って、もうバンバン投げるだけでした」と笑みを浮かべた。

 打撃では初回1死、チーム初安打となる中前打で出塁。4回2死一、三塁では死球を受けたが平然と一塁に歩き、直後の矢部雄之介捕手(中1)の先制満塁本塁打につなげた。7回は四球。8回の二塁打を含めて2安打2四死球で全打席出塁した。

 背番号「1」の右腕は投球ではやや苦戦。2点リードの5回無死一塁から救援登板したが、いきなり適時三塁打を浴びるなど同点に追いつかれた。再び勝ち越した7回も2死から失点して同点。それでも8回は連続三振で締めくくって意地を見せた。

 身長175センチ、体重80キロとガッチリした体格で貫禄がある。そんな体格やプレー以上にインパクトが大きかったのが髪の毛の色だ。サイドと後方は短く刈り上げ、モヒカン風に残った頭頂部は真っ赤。帽子やヘルメットを脱ぐと現れる赤髪について「俺のモチベーションですね。赤は好きな色です」と屈託なく説明した。

真っ赤に染めたモヒカン風の髪がトレードマークだ【写真:井上学】

 投打の二刀流でチームをけん引する矢澤は「好きなのはバッティング。打った時の感覚が気持ち良すぎて最高なんです」という。高校で「甲子園に行きたい」と口にするが、まずは目の前に大きな目標がある。連覇を達成し、8月に米国ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開催されるリトルリーグのワールドシリーズに出場するのだ。

 昨年は逃した世界一。「今年は1個でも多く勝てるように頑張りたいと思います。みんなのお手本になるようなプレーをしたいです」と意気込む。昨年は赤髪に加え、後頭部は髪で日の丸をあしらった。「今年もまた日本国旗を入れます。日本代表のチームなので、頑張ります」と頭部に日の丸をあしらって戦う。

バッテリー組む矢部「毎試合ホームランを打ちたい」

バッテリーを組んだ矢部雄之介(左)【写真:井上学】

 バッテリーを組み、満塁弾を放った矢部も「アメリカでの目標は優勝です。毎試合ホームランを打ちたい」と鼻息が荒い。日々の練習では1日1000スイングすることもあるそうで「タイミングを心がけています。タイミングさえ合えば打てます」。打撃には自信を持っており、8回には痛烈な右前適時打も放った。

 個性豊かな選手がそろうリトルの強豪。竹田正紀監督は「選手のテンションを上げることを考えている」と伸び伸びプレーさせるよう心がけている。「もちろん怒る時もありますけど、メリハリをつけます。選手を乗せるのが一番いいと思っています」。ベンチのムードは常に明るい。

 決勝戦は何度も追い上げられる苦しい展開となったが、一度もリードは許さなかったところに強さが垣間見える。ミスが出たり、失点した際には、矢澤や矢部がチームメートの肩や胸を叩くなど叱咤激励する姿があった。決して弱気にならず、互いを鼓舞し続けたのである。

 投打とも、昨年より確実にレベルアップしている。目指すは東京北砂として出場した2017年以来9年ぶり5度目となる世界一。赤髪に日の丸を刻んだ主将を中心に、プレーでも見た目でも日本の存在感を世界に示す。

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