専用グラウンドなしでも…強豪の座を維持できるワケ 小学生を活気づける“競争促進”

更新日:2026.06.25

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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第2代表で全日本学童野球大会へ…東京・文京区の強豪「レッドサンズ」

 不利な環境でも強豪でいられる要因は、平日を含めた“準備”にある。“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」の東京都予選決勝が6月13日、府中市民球場で行われ、レッドサンズは延長7回タイブレークの末に3-8で敗れ、第2代表での全国出場となった。門田憲治監督は「多くは負けて全国に行けない中で、悔しさを持って行けるのはありがたい」と前向きに語った。

 MAX119キロを投じる森下貴斗選手、同121キロの大野凌駕選手を擁するパワーの船橋に対し、レッドサンズはチーム一丸となって接戦を演じた。球速100キロ台で制球力が持ち味の先発・神谷駿選手(6年)ら3投手で要所を抑え、打っては主将の原川瑛仁捕手(同)が2本の長打を放って打線を牽引した。

 剛腕2人に対して低め狙いを徹底し、事前には社会人選手の130キロの球で“目慣れ”をしてきた。「球速があると送りバントも難しいというのは、全国に向けていい勉強になった。ある程度打てた子たちも多かったのは良かったと思う」と門田監督。巨人ジュニアでも活躍した藤森一生投手(駿台学園中)を軸に3位に輝いた2023年以来、5度目の大舞台に向け、課題と収穫を口にした。

 東京23区の真ん中、文京区の連盟に属し、都会チームの例に漏れずホームグラウンドはない。週末練習では空き場所を求め、県をまたいで埼玉まで赴くことも。それでも強豪の座を維持できるのは、チーム内の“競争促進”にあるという。

「結果を出した子を起用しなければ、チームとして盛り上がりません。(準優勝した昨秋の)新人戦ともスタメンは変わっていますし、全国に向けても変わっていくと思います」と指揮官。活動のある週末に成果を残すには、何より平日の過ごし方が鍵だ。「土日は“お披露目会”だよと伝えています。平日にきちんと自主練をしてきたか、準備をしてきたか。親御さんも含めて意識の高い選手が多いので、その辺りは理解してくれていると思います」と語る。

悔しさを抱いて全国へ「みんなで笑えるように頑張りたい」

東京第2代表として全国大会へ挑む【写真:高橋幸司】

 平日を含めた“競争”の中で、「不安げに投げていた昨秋からひと冬越えて、精神的にも技術的にも“俺が引っ張る”という感じになってきた」と門田監督が頼もしく見つめるのが、「1番・投手」の神谷だ。

「学校から上がった後は“野球漬け”です」と本人。2か所のスクールに通って投打の技術を磨くなど、自分でできる基礎練習、応用練習を毎日続けているという。「他の人に比べれば球速は遅いけれど、そこに思いはありません。コントロールとか、自分が投げ切れるボールを投げることを意識しています」とキッパリ。制球力は「最後のフォロースルーを決めるところ」をドリルで磨くことで向上したという。

 チーム内の競争については、「投手もその日の調子によって(の起用)ですし、ライバルという感じではないですけど、みんなで競い合いながらチーム力を高めていってます」と自信を見せ、「チームで助け合いながらここまで来られた。全国ではみんなで笑えるように頑張りたい」と力を込めた。

「2位になった悔しさを持って全国に行けるのは、なかなかないこと。選手たちも『もう負けたくない』という気持ちで臨んでくれると思う」と門田監督。チャレンジャー精神で、3年前を超える最高の景色を皆で掴みに行く。

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