高校野球は「7回制がいいかな」 本音は9回制支持も…中学監督が憂慮する“変化”

高野連が採用を検討…7回制について語る徳島藍住シニア・白川哲司監督
日本高野連は昨年、「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を1月から11月までに計10回実施。9イニングを戦うことを前提に入学している選手の心情を考慮し、全ての公式戦で「7イニング制」を採用するのは、2028年の第100回記念選抜高校野球大会ならびに各都道府県の春季大会からが望ましいとした。
今月30日に有識者や指導者による意見交換会が開かれる予定だが、この時流について、中学硬式野球チーム「徳島藍住リトルシニア」の白川哲司監督は「やっぱり高校野球は9イニング制が面白いんです」と語る。一方で、「けど、最近の夏は暑いじゃないですか。体力のことを考えると7イニング制がいいかなって思います」と悩ましげだ。
同シニアは投手育成に定評があり、近年では2022年選抜大会で優勝した大阪桐蔭を1回戦で追い詰めた鳴門・冨田遼弥(国学院大)、2023年夏の選手権大会で力投し、U-18日本代表に選出された徳島商・森煌誠(NTT東日本)を輩出している。いずれも“先発完投型”でチームの大黒柱を担ったが、「うちでは完投させません。毎年5人は投手を育てるようにしていて、1試合で2、3人を継投させるようにしているんです」と白川監督は語る。
投球過多による故障は、できるだけ避けたい。しかし、少子化が進む徳島県では高校野球のチーム数が30を切っており、1、2年生による秋季大会ではベンチ入りメンバー20人が埋まらないケースも珍しくない。そのような環境にあることから高校の指揮官は、先発投手に最後まで投げさせることを視野に入れざるを得ない状況で、投手が1人だけのチームもある。他の都道府県でも少子化や競技人口減少が続けば、類似ケースが発生するだろう。
実感する近年の“異常な暑さ”…何より大切にしたい選手の健康
「今はピッチャーの担当制が主流だけど、僕は古い人間なので、先発完投もアリだと思うんです。『このマウンドは誰にも譲らない!』と立ち続けることで、やりがいを感じる子もいます。昔の夏ならそれができたんです。でも昨年の暑さは異常でしたし、そんな中で、徳島県の事情、チーム事情もあって完投はさすがに酷使と思うようになってきました」
昨秋と今春に四国大会2連覇を達成し、夏の2連覇に燃えている同シニアは投手育成がうまいだけに、卒団して間もない高校1年生が、さっそく背番号を貰うこともある。この春でいえば、東海大相模(神奈川)に進んだ吉永颯大投手(1年)がベンチ入りした。教え子を応援する反面、「うちはウエートトレーニングを3年間、一切やらせないので体ができていないんです。1年生のうちは使わないで」と心配もひとしおだ。
白川監督自身が同シニアから徳島屈指の進学校・城北へ進んだことから、選手が保護者とともに設計したビジョンを尊重し、強豪校への進学を押し付けることはない。県下の公立校進学にも寄り添ってきた。だからこそさまざまなチーム状況があることを想像し、「野球はやっぱり9イニング制」と思いながらも、選手たちの健康を第一に願う。
「甲子園ほどの連投はダメだと思うんです。高校生は投げたら2、3日は休息をとらないと。ゆっくりクールダウンすることも大事です」。白川監督にも投手経験がある。「最近の夏は……」と何度も語り、異常な暑さを実感している。9イニング制を継続するなら試合の「間隔を空けるべき」だが、大会を運営する教職員、大会日程と登校日、温暖化も進む未来を考えれば、「7イニング制」採用はやむを得ないと考えている。
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