学童監督は「パパコーチを経験してから」 日本一名将が提唱…対処しやすい“火種”

「少年野球パパコーチ講座」に学童野球の名将2人が登場
野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」は6日、少年野球に関わる“パパコーチ”のためのオンラインイベント「少年野球パパコーチ講座」を開催。学童野球の名将として知られる多賀少年野球クラブ(滋賀)の辻正人監督と、中条ブルーインパルス(石川)の倉知幸生監督が、パパコーチのあるべき姿を語り合った。
倉知監督はパパコーチを2年間経験し、2010年に監督就任。2022年に「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」で優勝を飾った。チームには現在7人のコーチがおり、その内6人は自身の子どもがすでに卒団している“元パパコーチ”だ。
学童野球では自分の子どもの卒団と同時に、チームを去るパパコーチが大半だという。チームに残る元パパコーチの共通点について、倉知監督は「我が子を全面に教えるコーチはいない。全体を平等に見られる」と説明。さらに「なぜだか絶対的なエースや主将のお父さんが卒団しても、引き続きコーチをやることはほとんどない」と語る。
保護者がコーチを務める理由の1つは、子どもの成長を間近で見られること。倉知監督は自身の経験を踏まえ、上のカテゴリーで野球に励む子どもがいるパパコーチには試合観戦するよう勧めている。チームにとって大切な指導者だが、父親としての“務め”も全うしてほしいという思いがあるからだ。
監督が求めるパパコーチの役割「足りないところをサポート」

倉知監督とは長く親交があり、全国制覇を3度達成している辻監督は「監督をやるなら、パパコーチを経験してからなったほうがいい」と強調する。自分と子どもの関係性や指導者との距離感などを、冷静に判断できるようになる。チーム運営においても、他の指導者が気づきにくいところで生まれる“火種”に、早い段階で対処できるという。
両監督はパパコーチに求める役割として「足りないところをサポートしてくれること」を挙げる。監督と同じような動きは求めておらず、「子どもの調子や健康状態の把握。直近の試合の傾向など、監督の目の届かない部分を見てくれると非常に助かる」と口にする。
辻監督は「監督はずっと時間が動いている。そこの部分に着手してくれるコーチがいれば助かります。ミーティングでも全員に話が通っているか分からない。なかには上の空の子どももいるので。そこにアンテナを張ってもらえれば、強い組織になっていく」とアドバイスを送る。
倉知監督も「自分も低学年を教える場面があるので。そういったところでレギュラーチームの指導をコーチにお願いすることもある。そこをすんなりできるように普段から対話、会話は大事にしています」と、指導者が共通認識を持つことが重要だと強調する。
チームに関わる子どもの成長を願い、野球界の未来を支える“パパコーチ”に、「少しでも長く指導してほしい」と倉知監督は切望する。今回の「少年野球パパコーチ講座」は11日にも行われる。
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