「初めての試み」は野球人口増加につながる? 地域密着の大学部活が変える、親子の“興味”

流通経済大が挑んだ幼児への“野球指導”…まずは「楽しんでもらうことが目的」
子どもの野球離れがささやかれる今、競技人口増加に向けた取り組みは各地で行われている。「野球を始めるきっかけ」作りが大切だろうが、茨城県にある流通経済大の硬式野球部が11月30日、「親子であそぼう!」をテーマとした親子体験型の野球振興イベントを開催。幼児向けの“野球教室”は珍しく、グラウンドには将来の野球少年や少女が笑顔で駆けまわる姿が広がった。
大学生と幼児たちの胸には、お手製の「ひらがなネーム」が浮かんでいた。指導役の野球部員たちが、親しみを込めて幼児の名を呼ぶ。時にはギュッと手を握ってあげながら、野球につながる“遊び”を一緒に楽しむ。そんな光景を見つめながら、同野球部の石本泰志監督は言うのだ。
「地域の小・中学生向けの野球教室はこれまでやってきましたが、幼児のみなさんを対象としたものは、今回が初めてです。野球部員が主導となってイベントの内容を決めました」
球入れ、ボール投げリレー。あるいは、紙ひこうき飛ばし、手つなぎおにごっこなど、野球の技術を教える一般的な教室とは違い、体を動かすことを「楽しむ」メニューが多い。石本監督は「基本的には『楽しんでもらう』ことが目的。この活動を通して、1人でも野球をやろうと思ってくれる子どもが増えてくれればありがたいですね」と言う。

「遊ぶ」時間と場所が少ない…野球を「やるきっかけを作りたい」
野球を始める子どもが減少傾向にある中で、普段の生活から「今は、投げるような動作すらやったことがない子どもが多いのではないでしょうか」と石本監督は嘆く。要するに「遊ぶ」時間が少なく、その場所が減っていることが要因の1つだとも言う。
「だからこそ、子どもたちに遊ぶ場所を定期的に提供することは大切。あるいは、保育園などに出向いて、遊びを通して野球の楽しさを伝えて『やるきっかけ』を作っていければと思っています」
子どもだけではなく、野球に詳しくない保護者へのアプローチも「きっかけ」作りの1つだろう。今回のイベントでは、大学生が実際に使用するグラブやバットなど、“格好いい道具”もグラウンド内に展示しながら、野球に興味を持ってもらう取り組みも行われた。
石本監督は、社会人野球の伯和ビクトリーズ(東広島市)でプレーした経験を持つ。
「伯和というチームが、地元で祭りを開くなど地域密着のチームでした。母校に帰って監督をさせてもらっていますが、社会人野球時代の経験を学生たちにも味わってもらいたい。そう思って、野球部として子どもたちの野球教室を開いたり、地元・龍ヶ崎市のイベントに積極的に参加してきました。今回の幼児を対象とした初めての試みを通して、学生たち自身も『考えて行動を起こす』ことを学び、それぞれが成長できたと思います」
参加した約50人の幼児と見守る保護者はもちろん、イベント運営を主導した大学生もまた「楽しい」時間を過ごした“青空野球教室”。こういった取り組みが、野球界全体に新たな風をもたらすきっかけとなるだろうか。
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