全国初戦敗退続きの「堺ビッグボーイズ」小学部…見直した球場外の立ち姿
全国大会初勝利から一気に頂点に駆け上がった。大阪・堺市で活動する「堺ビッグボーイズ」小学部は、これまでの敗戦を糧にし、全てにおいて“先に行く”をテーマに掲げ勝利を積み重ねた。First-Pitchでは小学生・中学生世代で日本一を成し遂げた指導者に取材し、選手たちを覚醒させた秘密に迫った。
個々のスキルを活かしたプレースタイルで戦い、全国大会に出場するも、何かが足りない――。中学部を含めチーム全体のGMを務める瀬野竜之介氏は、敗因を振り返り、大舞台で浮き足立つ要因は準備、即行の遅れだと感じていた。
「勝ち負けに繋がるかは分からないですが、今年は全てに“先に行く”を徹底しました。相手より先に挨拶をするもそうですし、球場入り、ウオーミングアップ、試合の整列なども。相手の一歩先を行くことで、落ち着いてプレーすることはできたと感じています」
小学生のメンタルは浮き沈みが激しく、指導者も試行錯誤を繰り返していた。そこで、プレーの質だけを求めるのでなく、グラウンド外での立ち姿から見直すことでチームに一体感が生まれた。「いかに落ち着いてプレーできるか。特に初戦はそうですよね。甲子園を見ても初戦の難しさは誰もが悩むこと」。“立ち合い”から先手を取ることで子どもたちにも自信が生まれ、普段通りのプレーを体現することに成功した。
夏の全国大会では初戦から決勝戦まで全試合で初回に先制
「競技の特性を見ても、野球は失敗のスポーツです。勝ち続ける成功体験も必要ですが、私は失敗体験も大事だと感じています。失敗と向き合うことで、何が必要だったのかを考える。そして、乗り越えるために日々の努力を積み重ねる。早くそれを気づけることが成長の近道になるのではないでしょうか」
掲げたテーマを実践したチームは、今年8月に行われた「第55回日本少年野球選手権大会」で初戦から決勝戦までの全試合で初回に得点を奪い先制に成功。「選手の表情を見ても、いい顔をしてプレーしていました」。試合の流れを掴み、主導権を握ると一気に頂点まで駆け上がっていった。
チームの方針として技術だけでなく、ブリッジや前転、後転など「自分の体を扱う」練習にも時間を費やす。幼少期から運動能力を伸ばすことで、中学、高校とレベルが上がっても対応できる選手育成を目指している。「多くの経験を積んで、長く選手を続けてほしい」。瀬野GM、高曽学監督は今月21日からの「日本一の指導者サミット」に出演予定。堺ビッグボーイズは日本の未来を担う子どもたちの成長を、これからもサポートしていく。
【実際の動画】片足ブリッジで体を柔らかく 強豪小学生の身体能力を伸ばすトレーニング
今夏日本一…堺ビッグボーイズ小学部の指導・練習法を紹介!
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