声を出さない選手は「野球を知らない」 少年野球日本一チームが徹底する“3つの瞬間”

文:First-Pitch編集部

XFacebookLineHatena

滋賀・多賀少年野球クラブ辻正人監督、声を出す3つのポイントを指摘

 意味のない声出しは必要ない。全国大会常連の滋賀・多賀少年野球クラブには、選手が声を出す3つのポイントがある。声の出ない選手には「声を出せ」と指摘しても効果は少なく、野球の仕組みや動きを教えることで自然と声が出るようになるという。

 少年野球には、「バッチコイ」をはじめとする定番の声出しがある。チームや自分自身を鼓舞する効果はあるかもしれないが、言葉自体に具体的な行動は伴わない。中には、指導者に促されて機械的に声を出している選手もいる。

 多賀少年野球クラブには、こうした種類の声出しはない。声を出すポイントは時系列で並べると「準備・予測」「指示」「反省」の順となる。3つ全てがプレーに直結する。

 最初の「準備・予測」は、相手打者の傾向に合わせた守備位置の調整や、今の場面で避けるべき投球などを示す。声を出してチーム全体で共有し、失点を防ぐ最善の方法を取る。

 2つ目の「指示」は例えば、二塁手と右翼手の間にフライが飛んできた際、どちらの選手が捕るのか明確にする声にあたる。また、中継プレーでカットが必要なのか、どの塁に送球するのかを伝える時も大きな声を出す。

ミスの原因を確認、共有、同じ失敗を防ぐ「反省」の声

 最後の「反省」は、ミスが出た時に必要となる。カバーリングに遅れが出た場合など、プレーのどこに問題があったのか確認する。声に出すことで、同じ失敗を繰り返さないようにする目的がある。

 辻監督は声を出さない選手の特徴に「野球を知らないこと」を挙げる。意思はあっても、どんな声を出せばいいのか分からないのだ。他のチームから移籍してきた選手は野球の技術自体が高くても、多賀少年野球クラブのスタイルを理解するまで声が出ないという。

「声が出る選手は野球を知っています。声が出るのは、自分が直接関わるプレー以外にも注意を向け、次の動きや次の次の動きも考えているからです。内気に見える選手も野球を理解すると、だんだんと声が出てきます」

 チームスポーツの野球には、仲間との意思疎通や連携が欠かせない。「準備・予測」「指示」「反省」。3つの声出しが、プレーの質やチーム力を上げる。

辻正人監督も参加…指導・育成動画が無料登録で動画200本以上が見放題

 辻正人監督も参加している野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも200本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした確実に上達する独自の練習法や考え方を紹介しています。

専門家50人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード