いきなり腰を切ってベースカバーに入ると打球に対応できない危険性も

 右手を腰の後ろに置いて、手をグルッと回していたという。ただし、けん制の時だけこの構えでは不自然なので、右手はいつも後方。こうした細かなところから、相手にサインプレーを見破られてしまうこともある。

 では、実際に一塁走者がスタートを切った時にはどう対処するか。「キャッチャーが捕ってから二塁ベース上にボールがくるまでに約2秒。2秒の間に、二塁ベースに入れる位置はどこか。自分の脚力を考えながら探します」。少年野球であれば、もう少し時間はかかるだろう。日々の練習から距離感を掴んでおきたい。

 二遊間の注意点としては「ランナーがスタートを切った瞬間に、体を切り返さないことです。シャッフル(サイドステップ)でポンポンと二塁ベースに近付き、打者が空振り(または見逃し)したのを見てから、腰を切って走っていく。いきなり、腰を切ると、ショートであれば三遊間の当たりに逆を突かれることになり、守備範囲が狭くなります。シャッフルを入れておけば、左右どちらの打球にもまだ対応ができるのです」と説明する。

 走者が走ったと分かった瞬間にどうしても二塁ベースに走りたくなるが、打者が打つ可能性があることを忘れてはいけない。シャッフルを入れたうえで、二塁ベースカバーに入れる守備位置はどこになるか。この位置を知ることが、上達の第一歩と言ってもいい。そう考えると、何となく流しがちなイニング間の二塁送球も、ベースカバーの実戦的な練習につながるはずだ。

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