
こねる打ち方を防ぎ、球の見極めにもつながる「軸回転スイング」ドリルを紹介
速球、変化球に対応できる好打者には、「ブレない軸」を持つ選手が多い。緩急に対応しつつ、スピード、パワーを生み出す“スキル”を習得するために必要な練習方法とは? プロ選手を含め年間2000人を指導する野球塾「BASEBALL FUTURE」の代表・依田徹平さんは「小手先だけでは、とらえる確率や飛距離を伸ばすことは難しい」と口にする。
依田さんは法政一高、法大でプレーし、卒業後は一般企業に就職したが、トレーナーとしての知識や野球動作の理論を学び指導者に転向。2018年に同塾を設立し、現在では高校の外部指導員や中学野球チームのアドバイザーなども務めている。
「ラプソード」などの分析機器を用いて原理原則に基づいた指導を軸とし、サポートするプロ選手らの感性や感覚も加えながら、選手の将来を見据えた指導を心掛けている。依田さんが打撃面において注視しているポイントは、個々のフォームや出力の差などもあるが、まずは軸を保ちながら「手打ち」や「こねる」といった動作を防ぐことだ。
手打ちを防ぎ、癖のない軸回転のスイングを身に付けるドリルが、「トップハンド1回転スイング」。トップハンド(バットを持つ後ろ手、右打者なら右手)でバットを持ち、置きティーを打つ。ただ打つのではなく、右足を軸として1回転しながらスイングしていく。
「注意点は、ヘッドを返さず、あくまで腹斜筋(脇腹の筋肉)を使った“体の回転の力”でインパクトをすること。打ち終わりは、元の位置に戻ることができればベストです。手打ちや、こねる動作が入ると、きれいに1回転することができません。また、そもそも“軸”がないと、きれいに速く1回転することもできません」

体幹を使った“体の回転主導のスイング”ができれば、最後に手が出てくるため、ボールを見極める時間も長く取ることができる。空振りを狙ったボール球の変化球なども、“打ちにいきながら”見逃せるようになるという。注意点として「このドリルでは軸足(右打者の場合は右足)で1回転をしますが、これは、頭の位置を後ろに残す感覚を身に付けるためです。実際のスイングでは体重移動をしているので、左足を軸に回転をする形となります。あくまでドリルの1つとして取り入れてください」と付け加えた。
自らの体を知り、操ることができれば、技術の習得もスムーズにいく。バランス感覚や運動神経が最も伸びるのは12歳くらいまでといわれている。「偏った練習ではなく、幼少期から様々なトレーニングや遊び、他競技やドリルで体に刺激を入れることも大切。癖がついたまま中学、高校を迎えると目標には遠回りになります」。体の使い方を覚えることが、打撃向上への近道になる。
【実際の動画】手打ちを防ぎ長く球を見られる 軸回転が身に付く「トップハンド1回転スイング」
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