1試合10失策でも「しょうがない」 “ほぼ9割”打撃練習…ぶれない超攻撃野球のワケ
大阪オールスターズJr.の森浩彬監督…室内で6か所の打撃練習「どんどん回しています」
投げる、打つ、捕る、走る…。野球は、とにかくやることが多い。少年野球で全てを追い求めることは難しいだろう。大阪府箕面市を拠点に活動する学童野球チーム「大阪オールスターズJr.」は、打撃面に特化したチーム作りを重視。森浩彬監督は「10点取られても11点取りにいく野球」を目指し、ナインに浸透させている。First-Pitchでは、全国で話題の学童チームの“選手を育てる秘訣”に着目。同チームが「超攻撃野球」に至った背景に迫った。
活動日は土日、祝日のみ。多くのメニューをこなす時間はない。ならば、と割り切り、練習時間の「8、9割」を打撃に専念。所有する2階建ての室内練習場は、1フロア3か所の計6か所で打撃練習ができるので、そこで延々とバットを振らせる。
「休憩なしにどんどん回しています。1か所だけでボールを投げて、球拾いというのは絶対にしたくなかったので、子どもたちが暇を持て余さないように、効率のいい練習をやっています」
ティースタンドを用いて行う打撃練習では、通常の軟式球ではなく、硬式球と木製バットを使用する。打球部に柔らかいウレタン素材が入っている複合バットだと、詰まっても打球が飛ぶので、勘違いする選手も多いという。
「今の子どもたちってバットの芯がわかっていないんですよ。複合バットだと、どこで打っても飛ぶので。硬式ボールを木のバットで打たせることで、しっかり芯を確認させています」
学童野球では、2025年からウレタン素材を使用した大人用バットの使用が禁止となる。大阪オールスターズJr.も練習試合で木製バットを試すなど、小学生のうちから芯で打つ技術を身につけさせている。
「中学、高校って、打たないと試合に出られないってイメージじゃないですか。とりあえず振る力がないと、硬式になった時に打球は飛ばせないと思っています。守備は、中学で何とかうまくなってくれという感じです(笑)。1試合で10失策したりすることもありますが、僕らが練習させていないので、しょうがないですよね」
冬練習の総仕上げで20キロ走挑戦…「経験しておかないと通用しない」
平日は子どもたちの自主性に任せているため、土日は「平日にしっかりやってきた子、やってない子がすごくわかる」という。それでもまだ小学生。指導者側からしっかりと引き上げてやることも大事な作業だ。大阪オールスターズJr.では、毎年1回、冬練習の総仕上げとして、最終学年に20キロ走に挑戦させている。普段から手を抜いていれば、完走するのは到底不可能な距離だ。
「まだ脱落した選手は一人もいません。これを経験したら、4キロとかをたまに走った時は楽勝なんですよ。自信をつけるためにやらせています。中学や高校に行ったら、走らされることが多いと思うので、そういうことも経験しておかないと、上では通用しないと思っています」
森監督の確固たる育成方針があるからこそ、選手たちはカテゴリーが変わっても、すぐに順応し、活躍することができる。
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