
「チームで話し合うことが大事」と野球講演家・年中夢球さん
全日本軟式野球連盟が6月に、全国の支部に向けて発出した“異例の通達”が話題となっている。学童野球チームの保護者への「過度な負担」や「同調圧力」などを避けるよう求めるものだ。親にとって「お茶出し」などの当番が負担になったり、指導者や他の保護者との人間関係に悩まされたりすることで、結果的に子どもたちの野球人口減少につながる。リトルリーグなどで約20年指導者を務め、野球講演家として活動する年中夢球さんは、「そうした問題を解決できる方法はある」と語る。
まず前提として、連盟の通達内にもあったように「今までの当たり前」をチーム内で見直すことが重要だと、年中夢球さんは言う。
「当番や係が本当に必要なのかを、チームで話し合うことが大事。環境によっては本当に必要なケースもあるでしょう。最もいけないのは、『昔からそうだ』『慣習だから』というもの。必要な理由がしっかり答えられないのであれば、その当番はいらない、ということです」
土日に仕事に出なければいけない保護者も当然いるし、家庭によって置かれた状況は様々。価値観も多様化するなか、“ルール”に固執するのが本当に良いことなのか。大人たちが古いしがらみにとらわれ、選手たちが野球から離れてしまっては本末転倒だ。「大人がやっている当番の中には子供が出来ることもたくさんあります。大人がやらせないだけです。子どもたちでできることを増やせば、親の負担も減らせるはず」と、年中夢球さんは工夫の余地があると語る。