
一喜一憂からの脱却…“挫折”を経て到達した「不動の心」
子どもたちの“がんばった瞬間”を記録して応援する企画「成長のスコアブック―きのうよりちょっとうまくなった日―」。子どもの成長の比較対象は他人ではなく、昨日の自分です。First-Pitchでは、日々の小さな成長や努力にスポットを当て、その一歩を大切に記録し、応援していきます。今回は兵庫・西宮市を拠点とする学童野球チーム「今津ファイターズ」の大平翔輝(しょうき)くん(6年)です。
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かつてマウンドで感情を爆発させていた少年が、“静寂”を纏い始めている。最上級生となり背番号「1」を背負う現在、その姿は変容しつつある。劣勢の展開でも歯を食いしばり、エースとしての自覚が、内なる激しさを抑制する力へと変わり始めたのだ。羽渕繁監督が「投手をやるために生まれてきたような性格」と評する才能は、技術向上と共に精神的な成熟という新たな段階へ足を踏み入れている。
2025年8月に富山県で行われた「第4回 PRIDEJAPAN 全国選抜学童野球富山大会」では、最速110キロを誇る右腕としてマウンドに立った。初戦では完封勝利を飾り、チームに勢いをもたらす。順調に見えたが、連投した準決勝で心身に潜む課題を浮き彫りにした。蓄積した疲労で体が思うように動かない。余裕を失った心は、味方のミスを許容できるだけの広さを持ち合わせていなかった。
「自分のことでいっぱい、いっぱい。味方のエラーに態度や表情を出してしまった」
この悔恨こそが、進化を導く原動力になった。以前なら感情に任せていた場面で、「投手の振る舞い」を意識的に心掛けている。際どい判定に一喜一憂せず、野手に声を掛け、チームの士気を鼓舞する。それは、ボールを投げるだけの役割を超え、チームの精神的支柱になろうとする意志の表れだ。
エースとして必要な資質は、速い球を投げることだけではない。苦しい時こそ泰然自若とした態度で仲間を信じて投げ抜く、「不動の心」にあると気づいた。
コントロールは抜群で、体の成長とともに飛躍が期待される大黒柱。指揮官は、かつて顔に出していた感情をコントロールできるようになった変化に、確かな成長を感じている。勝利の喜びも、敗北の苦味も、すべては「大きな投手」になるための糧になる。昨日の自分より少しだけ大人になった大平くんは、次なる壁を乗り越えるべく、マウンドで己の心と向き合い続ける。
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