全国準V強豪が“打ち方バラバラ”なワケ 小学生に危うい一括り指導「理論に支配されないで」

文:川浪康太郎 / Kotaro Kawanami

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全日本学童大会準優勝…伊勢田ファイターズ・幸智之監督の指導論

 情報が溢れる現代だからこそ、選手個人の「感覚」を大切にしなければならない。8月11~18日に新潟県で開催された“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で、伊勢田ファイターズ(京都)が準優勝に輝いた。指揮を執る幸智之監督の本職はパーソナルトレーナー。10年近くプロ野球選手の専属サポートも行っている。トレーナーの経験が豊富だからこそ、教え子たちの「感覚」には敏感だ。

「小学生に『こうしなさい、ああしなさい』と言って、できるものではない。理論や方法論にハメる指導ではなく、子どもたちの『感覚』に入っていく指導を心がけています。その子の感覚、目線、利き手、利き目によって教え方は変わる。個人の特徴を生かしながら、自然な体の使い方ができるよう教え方をチョイスできるのは、トレーナーだからこその強みかもしれません」

 体の発達の速度に差のある小学生年代の課題は、人それぞれ。筋力が足りない子もいれば、柔軟性の低い子もいる。理論や方法論を用いて一括りにして修正するのではなく、それぞれに合った指導をすることが、中学生以降も通用する技術の習得や、怪我を防ぐことにつながる、との考えだ。伊勢田ファイターズは各打者の打ち方がバラバラなのが印象的だったが、監督の言葉を聞くと納得がいく。

 YouTubeなどで子どもも簡単に情報を得られるようになった現代は、野球の理論や方法論は身近に溢れている。幸監督は「選手が技術を上達させたいと思って調べたことであれば、(インターネットから情報を得ることを)頭ごなしに否定はしない」とした上で、「理論・方法論に支配されるのではなく、本質を常に意識しながら、どの理論・方法論が自分に合うかを見極めてほしい」と口にする。

肩を痛めた影響で25歳で引退…プロ入りは叶わずも、出合った“天職”

伊勢田ファイターズ・幸智之監督【写真:小池義弘】

 職業柄、選手がYouTubeの情報をもとに打ち方や投げ方を変えた時は、即座に気づく。その際は変えた意図を聞き、実践してみて結果が出なかった場合は再度分析し直し、当人の「感覚」に合った助言を与える。試行錯誤するプロ野球選手を間近で支え続けてきたからこそ、教え子たちにも経験を還元したい思いが強い。

 幸監督自身、現役時代は京都・大谷高、京都学園大(現・京都先端科学大)を経て国内のクラブチームやオーストラリアのリーグでプレーし、プロ入りを模索した。肩を痛めた影響で25歳の時に引退を決断し、トレーナーの道へ。プロ入りの夢こそ叶わなかったが、選手を支える天職に出合った。

「僕は子どもと親の幸せを願うので一生懸命サポートする。子どもたちには、野球の本質と向き合う中で仲間の大切さや野球の楽しさを知ってもらいたい」と幸監督。これからも選手たちの「幸せ」な将来につながる指導を徹底する。

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