泣き崩れる小学生、監督は「ありがとう」 初全国で4強…想定外の結果をもたらす“思考力”

文:川浪康太郎 / Kotaro Kawanami

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旭スポーツ少年団が全日本学童大会初出場で新潟県勢最高タイの4強入り

 持っている力を本番で出し切る。そのために欠かせないのは日々の練習だ。8月11日~18日に新潟県で開催された“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で、地元・新潟の旭スポーツ少年団が4強入りを果たした。初出場ながら県勢最高タイの成績をマーク。就任13年目の高畑哲也監督は選手たちに「意味を考える練習」を課し、本番に強いチームを作ってきた。

 木屋瀬バンブーズ(福岡)との準々決勝に勝利した直後の取材で、高畑監督は「すごいですね。正直、ここまで来られるとは思っていなかったです」と本音を漏らした。大会前に掲げた目標は4強入りだったが、達成した直後は実感が湧かなかった。

 高畑監督は選手たちに、「持っている力を本番で出し切るにはどうすれば良いのか考えよう」と口酸っぱく伝えてきた。特別な練習をするわけではない。考えて練習することが「本番」につながる。

「練習をただこなすのではなく、1つ1つの練習にどういう意味があるのか考えながら取り組もうという話をしています。当たり前のことを、当たり前以上に一生懸命にやってほしいんです」。ウオーミングアップもトレーニングも、すべての取り組みには意味がある。小学生年代にとって「考える」ことは容易ではないが、勝つために求めてきた。

指導者も雰囲気作る工夫「スイッチの切り替えは大事に」

準々決勝で逆転勝利した旭スポーツ少年団ナイン【写真:川浪康太郎】

 指導者側も、選手に力を発揮させるための工夫を凝らす。高畑監督は試合中、プレーしやすい雰囲気を作るためにベンチで一緒になって感情を露わにし、活躍した選手には「ナイスバッティング!」などと前向きな声をかけていた。「ついつい熱くなって大騒ぎしてしまうので、(自分が)怒られないようにしないといけない」と苦笑いを浮かべつつ、「緩める時と、戦闘モードに入る時のスイッチの切り替えは大事にしています」と真意を明かす。

 そんなチーム作りを進める中で、「守備でリズムを作って攻撃につなげ、取れる時に1点でも多く取る」野球が今年の旭スポーツ少年団のスタイルになった。今大会はそれを体現する場面が何度も訪れた。

 準々決勝では、3回に4番・今井咲太郎(6年)の2点適時打などで3点を奪い逆転。それ以外の回は得点できなかったものの、投手陣が最少失点に抑え勝ち切った。サヨナラ負けを喫した長曽根ストロングス(大阪)との準決勝も好守が目立ち、初回は4連打で3点を先取。好機でつながる打線と堅い守りを、全国の舞台でいかんなく披露した。

 準決勝で敗れた瞬間、ショックで泣き崩れる選手も少なくなかった。試合後の取材で「選手にどんな言葉をかけたいか」と問われた高畑監督は、約30秒沈黙したのち、目に涙を浮かべながら「こんなところまで連れてきてもらったことに『ありがとう』しかありません」と絞り出した。彼らはまだ小学生。考える力は必ずや今後の野球人生に生きるはずだ。

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