打球飛ばす子が注意したい“軸の崩れ” 無制御でのアピールは「あまり意味がない」

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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侍ジャパンU-12代表監督の仁志敏久氏…野球上達には「リズム」と「軸」を大切に

 アンダー世代の侍指揮官が求めるのは、「型にハマらない」ながらも「ブレない」大切さだ。11月23日から愛媛県で開催される「第11回 BFA U12アジア野球選手権」で日本代表監督を務める仁志敏久さん(元巨人、横浜)が、8月に開催された“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第44回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」準決勝の際、中継解説のために会場の神宮球場を訪れた。そこで、小学生や指導者に伝えたい上達へのポイントや、代表選考に向けての注目点などについて語った。

 準決勝2試合は、うち1試合がサヨナラ決着になるなど、全国4強がぶつかるだけのハイレベルな熱戦となった。「勝ち上がってくるチームは守備がいい。ミスで点を取られることが少ないですね」と仁志さんも感心。「投手が打ち取った打球を、1つ1つ、野手がそつなく捕ることができているか。それによってチームの質や出来栄えが表れる」と、二塁守備の名手として鳴らした視点でゲームを振り返った。

 出身の茨城県古河市のスポーツ少年団で野球を始めた仁志さんは、どのように守備を磨いたのだろうか。「細かく言うと、いろいろ出てきますが……」と前置きの上で、大切にしたのが自分なりの「リズム」だという。「守備もそうですし、バッティングについても、“野球の動きのリズム”をうまく活用しながらやっていくべきだと考えています。そのためには、“型にこだわらない”ということも大切になってくる」と自論を語った。

 そのリズムを生かすためには、指導者の心がけも大事になる。「教える側としては、型にハメて指導する方が簡単ですけど、必ずしも、その型が(選手にとって)正しいとは限らない。“型にハメない”ということは、1つ頭に置いておかなければいけないこと」と、アンダー世代の育成に関わる身としての意見を述べた。

代表選考で注視するのは「体を思うようにコントロールできているか」

全日本学童軟式野球大会で解説を務めた仁志敏久氏【写真:主催者提供】

 これから選考が本格化する侍ジャパンU-12代表も、守備重視のチームづくりになるのか。「基本的には子どもたち(の特徴)を見てから」と仁志さんは言うが、「代表チームである以上、楽しむわけにはいかないし、いつもの少年野球以上に勝つことにこだわらなければいけない。普段の生活から、そういう方向に持っていけるか」と気を引き締める。

 そして、多くの“逸材小学生”が応募する動画選考については、「自分の体を思うようにコントロールできているか、道具を思うように扱えているか」に注視すると語る。

「小学生の場合、バットを振るにしても、体ごと振られてしまうことが多い。体勢を崩してまで打球を遠くに飛ばしていても、あまり意味がありません。体幹を軸として、バランスよく体をコントロールしながら打てているか。またはボールを投げられているか。そこを一番見ていきたいと思っています」

 もちろん、仲間と1つの目標に向かう過程もこの世代には大切な経験だ。「チームでやることには、楽しさも難しさもある。それをみんなで乗り越えて、社会性や人間性を学んでいくこともスポーツをする意義です」。全ての小学生へ、野球を通して人間的成長ができる素晴らしさをメッセージとして送っていた。

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