王貞治氏、“正しい野球”伝承へ「後で直すのは大変」 自信持つ“世界一のコーチ陣”

公開日:2024.06.29

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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7月末から福岡開催「世界少年野球大会」…WBSCコーチ陣が世界の少年少女に指導

“世界のホームラン王”が世界中の子どもたちに、「結果を残せる野球」を伝承する。7月28日~8月5日の9日間、福岡県大野城市など同県内9か所の会場で開催される「第30回世界少年野球大会 福岡大会」の記者会見が、26日に東京都内で開かれ、大会を主催する世界少年野球推進財団理事長の王貞治氏(ソフトバンク球団会長)が出席。「大谷君(翔平投手、ドジャース)が頑張っているおかげで野球人気も復活している。もっともっと盛んになるように頑張りたい」と意欲を見せた。

 同大会はNPB通算868本塁打の王氏と、MLB通算755本塁打の故ハンク・アーロン氏(元ブレーブス、2021年逝去)の日米両国の本塁打王が、世界の子どもたちへの野球普及を目的に、1990年に米国ロサンゼルスで初開催。以降、毎年夏に日米、カナダなどで開催されてきた。コロナ禍による5年の中止期間を経て30回目を迎える今年は、日本を含む世界14か国・地域の少年少女が王氏の“地元”である福岡に集い、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)コーチ11人による野球教室や、国際交流試合などを行う。

 この大会の理念として掲げている1つが「正しい野球を全世界に普及・発展させる」というもの。では、「正しい野球」とは何なのか。王氏はまず、「技術的に上手で、良い結果を残せること」を挙げる。

「投げる・打つ・走るの基礎をきちんと教えておかなければ、後で直すのは大変。指導するWBSCのコーチは期間中にこれらの基礎をしっかりと教えてくれる。子どもたちは最後にゲーム形式もやりますが、初日と最後ではガラッと変わっていますよ」

 2つ目に挙げたのが「怪我のない野球」だ。教室ではスライディングの適切なやり方も指導するといい、「スライディングが子どもたちは一番盛り上がるんですよ(笑)。とにかく、正しい野球を覚えられるチャンスが大きい大会。指導するコーチ陣は世界一だと思っています」と力説した。

ルールを守ることが競技を成り立たせる一番の基本

 加えて王氏が「初めはそれが目的ではなかったけれど」と言及したのが、野球を通して「ルールを守ることの大切さ」を伝えることだ。

「今は世の中でいろんな問題が起きていて、自分勝手な行動をしたり、ルールを守らないということも、我々が小さかった頃よりも広がってきているように感じる」と王氏。その意味でも、「野球をすることで、ルールを守ることがスポーツを成り立たせる一番の基本だと、子どもたちが理解してくれる。これは、将来にプラスになっていくんじゃないかと思います」と付け加えた。

 過去にこの大会を経験した参加者の中には、今春、野球日本代表「侍ジャパン」と対戦した欧州代表のメンバーとして戦った選手も2人いる。五輪での正式種目復活に向けても、「野球は(日本人にとって)心のスポーツ。正式種目として認めてもらえるように頑張っていかないと」と王氏は意欲を見せていた。

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