人見知りの気持ち「よくわかる」 見せなかった努力…小学生に伝える“直感のリスク”

文:篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki

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ライオンズアカデミー・田代将太郎コーチ「冷静な判断が下せるようになってほしい」

 西武、ヤクルトでプレーし、2020年に現役を引退した田代将太郎氏は、2023年からライオンズベースボールアカデミーでコーチを務め、主に小学生を指導している。自身の現役時代の経験から「客観的に自分を見られるようになってほしい」という思いをもって指導に当たっている。

 八戸大から2011年ドラフト5位で西武に入団。俊足・強肩の外野手として、6年目の2017年には自身初の開幕スタメンを勝ち取った。2018年にヤクルトへ移籍し、引退まで通算8年、241試合に出場した。

 そんな田代氏をはじめ、アカデミーのコーチ陣はプロで豊富な経験を持ち、話が聞けるのは貴重な時間だ。子どもたちには「もっと話しかけてきてほしい」という思いがあるが、自身も人に声をかけるのが苦手なため、なかなか質問ができない子どもたちの気持ちがよくわかる。そのため、子どもたちの名前を呼び、なるべく距離を縮めようと努力している。

「『話しかけてほしいな』と思いますが、それも難しいことだと思います。僕が人見知りで、できない人でした。努力しているところを見られたくないのもあって、自分でいろいろ調べたりして技術を得るタイプでした。あとは、話しかけられるのを待っている。ダメですよね(笑)。だから、おとなしい子の気持ちはよくわかります」

体の動かし方知るために「さまざまなスポーツに挑戦して」

 野球人生にピリオドを打って4年が経った。34歳になった今、現役時代を振り返り「もっと冷静な判断ができていれば」と思うことがある。

「本能的に動いてしまうことが多かったです。スーパープレーができるときもあるのですが、『今のはないでしょ』というミスをしてしまうこともありました。直感で動くのではなく、しっかり準備をして、冷静な判断を下すことが必要だったと思います。子どもたちにも、一歩下がって雰囲気を感じ取れるようになってほしいと思います」

 さらに、自分の体を思うように動かせないと技術につながらないため、さまざまなスポーツに挑戦して、体の動き方を知ってほしいと訴える。「習い事をする必要はありません。外で友達と遊ぶのでもいい。走り回ったり、遊具で遊んだりいろんな動きをして、体の使い方を覚えてほしいです」。

 動作を分解しながら、なるべくわかりやすく伝えるように努力しているが、理解の度合いは子どもたちによって異なる。「『こうやるんだよ』と見せても、すぐにはわからない子どもも多い。みんな同じじゃないので『こう言ったら伝わる』というものがない。難しいですね」。そう話す田代氏は、試行錯誤の日々もやりがいに感じながら、子どもたちに寄り添い指導を続けていく。

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