ドラ1入団→6年で移籍「クビみたい」 無念の新天地も…名将から学び得た“信頼構築”

文:篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki

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ライオンズベースボールアカデミーの白崎浩之コーチ「ちゃんと会話をすることが大切」

 俊足・強肩の内野手としてDeNA、オリックスで通算8年プレーした白崎浩之氏は、独立リーグを経て2022年に現役を引退。2023年からは、ライオンズベースボールアカデミーのコーチを務めている。現役時代は縁のなかった西武だが、他球団出身初のコーチとして奮闘している。

 白崎氏は2012年のドラフト1位でDeNAに入団。プロ6年目の2018年にトレードでオリックスに移籍した。当時は「クビみたいな捉え方をしていた」というが、オリックスでの経験が子どもたちを指導する上で役に立っているという。

 オリックスに移籍した翌年から2軍監督を務めたのは、現在1軍を指揮し、チームをリーグ3連覇に導いている中嶋聡監督だ。白崎氏は当時28歳とチームでも年齢が上のほうだったが、中嶋監督は言うべきことははっきりと、丁寧に伝えてくれた。信頼関係を築くには会話が大切だと学んだ。

「子どもたちのプレーを見ていても『こうなんだろうな』と思うことはありますが、実際は違うかもしれない。ちゃんと会話をすることが大切だと思っています。小学生はどうしても自分たちからは話しかけづらい。『いつでも話しかけてね』と言葉に出すだけでなく、子どもたちが話しかけやすい雰囲気を出すように心がけています」

ネットでの情報集めだけでなく「まずは行動に移して」

 コーチに就任して1年が経つが、子どもたちには野球以外のことにも興味を持ってほしいと考えている。「『テニスのように打ってごらん』と言っても、『テニスをやったことがないから、わからない』『見たことはあるけれどわからない』という答えが返ってきます。『イメージもわかないんだ』と思いました」。インターネットやYouTubeなどで、さまざまな情報が簡単に手に入る時代。野球の知識は豊富だが、そこに偏ってしまい、応用が苦手な子が多いという。

「野球は相手がいるスポーツです。いつも同じ打球が飛んでくるわけではないし、同じ送球が来るわけでもない。練習したことと違うこともやらなければいけない場面もありますが、プレーに融通を利かせることが苦手な子が多いと感じています」

 情報を集めることも大事だが、アカデミーは元プロのコーチが指導に当たっている。経験豊富なコーチに話を聞かないのはもったいないと訴える。

「調べるのもいいですが、まずは行動に移してみてほしい。子どもの時はとにかく挑戦してみる。今シーズンのライオンズのスローガンではないですが、『やる獅(し)かない』の精神で取り組んでほしいと思います」

 笑顔で場を和ませる姿は、すっかり西武に馴染んでいる様子だ。他球団OBが、アカデミーに新たな風を吹き込んでいる。

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