「短時間集中」で全国35回 強豪学童を生む“普通の練習”と保護者の支え

文:高橋幸司 / Koji Takahashi

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全国V4度の実績を持つ福島県いわき市の常磐軟式野球スポーツ少年団

 1984年の創設から40年で、全国大会出場は実に35回。そんな驚くべき“記録”を持つ学童野球チームが、福島県いわき市に拠点を置く「常磐軟式野球スポーツ少年団」だ。うち、全日本学童大会では1度、全国スポーツ少年団交流大会では3度の頂点に輝いているが、そうした持続的な強さを実現している要因は何なのか。First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。天井正之監督に聞くと、「継続は力」というスローガンそのものの取り組みが浮かび上がってくる。

 2000年に就任した天井監督は、選手としても小学校4年時に入団した創設メンバーの1人であり、チームの40年の歴史を体感してきた。「何よりも、子どもたちが毎日野球を思いっきりやれる環境が整っている。それが一番大きいと思います」。

 平日は午後4時半から7時までの2時間半、週末は午前中のみと、短時間で集中して練習に取り組むのが昔から変わらぬ方針。天井監督、初代監督の大平清美団長を含めた7~8人の指導陣が、低学年・幼児の「常磐キッズ」を含めた45人の選手たちにアドバイスを送る。もちろん保護者の支えも不可欠で、ティー打撃のトスを上げてくれる熱心な母親の姿もある。「協力してくれる保護者も含めて一丸でチームを作れている。それがうちの強みです」と指揮官は語る。

 練習内容も、特別に真新しいことはしていない。「本当に普通のことしかやりません。ティー打撃やバントなどの“決まりきった練習”を丁寧にやっていく。それだけ」。堅守から少ない好機を生かして点を奪うのが伝統で、そのためにも基礎練習を大切に繰り返す。そこに「バッティング好きが多い」などの各世代の個性も重ね合わせ、全国の強豪と渡り合えるチームが出来上がっていく。

“決まり切った練習”ばかりだからといって、子どもたちが飽きてしまうこともない。何より選手たち自身が、「それが全国大会に行くために必要なこと」だと理解して取り組んでいるからだ。

長期的視点で選手たちに「全国」を意識させる

「長期的な目で『全国』を意識させています」と天井監督。たとえ費用がかかっても、全国出場が決まれば、低学年の選手たちも帯同させる。「『先輩たちも全国に行けたんだから、みんなもできる』という話もします」。日々丁寧に練習を継続していけば、それが力となり、大舞台への道となる。上級生の姿は下級生にとっての良き見本となり、自分が何をすべきかが自然に理解できる。その“循環”を作り上げたことが、全国出場35回の実績に結びついたのだ。

「『継続は力』は40年前から変わりません。毎日2時間半、コツコツ少しずつやっていけば、力になることを子供たちはわかっている。その方が怪我もしにくくなりますしね。だから、指導する方も休めません(笑)」。天井監督は今月25日から5夜連続で行われる「日本一の指導者サミット」にも参加予定。全国大会常連チームの取り組みは、大いに参考になるはずだ。

常磐軟式野球スポーツ少年団・天井正之監督も“参戦決定”

 Full-Countと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では9月25日から5夜連続(午後8時から)でオンラインイベント「日本一の指導者サミット」を開催する。小・中学生の野球カテゴリーで全国優勝経験を持つ全12チームから、手腕に定評のある監督たちがYouTubeライブに登場。指導論や選手育成術、円滑なチーム運営のヒントを授ける。詳細は以下のページまで。

【日本一の指導者サミット・詳細】
https://first-pitch.jp/article/news/20230902/5374/

【参加はTURNING POINTの無料登録から】
https://id.creative2.co.jp/entry