今年3月の「第53回日本少年野球春季全国大会」で優勝した東海中央ボーイズ
チーム結成11年目で初の日本一に輝いたのが、ボーイズリーグに所属する「東海中央ボーイズ」(以下、東海中央)だ。今年3月の「第53回日本少年野球春季全国大会」で優勝。さらに、日本代表など選抜チームに11人を輩出するなど“中学最強チーム”の呼び声も高い。First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。今回は東海中央を率いる指揮官の言葉から、選手の成長を促す“ヒント”や勝つための戦略を探った。
圧倒的な強さで頂点に立った。東海中央は新チーム結成以降、怒涛の30連勝で春の王者に輝いた。鹿児島実業で1991年に春夏連続甲子園に出場し、社会人野球・新日鐵名古屋でもプレーした竹脇賢二監督は「昨年夏は日本一を目指して負けました。そこから『絶対に日本一を獲る』と言い続けたチーム。修羅場を経験した選手も残っていたので、明確な目標を掲げてやってきました」と口にする。
野球は“打って、投げる”だけでは勝てない。全国の強豪に勝つために、練習では徹底的に基本の動作を見直した。確実にアウトを奪うスローイング、暴投した際のバックアップ。走塁面でも相手のちょっとした隙を見逃さずに次の塁を狙う姿勢を意識させるなど、“野球脳”を鍛えた。
技術、フィジカルの向上に加え、実戦で選手たちが考えてプレーできるようになった。結果、競り合いの試合を着実にものにできるチームに進化した。
狙ったファーストストライク「待ちの姿勢では得点は奪えない」
近年は中学生のレベルも上がり、投手の球速も135キロを超える時代になった。「スピードへの対応も必要でした。どんどんストライクを取れる投手が出てくる中で、待ちの姿勢では得点は奪えません」と竹脇監督は語る。
さらに「全国に出てくる投手を攻略するため『1イニング3球で終わってもOK』と、“初球打ち”を徹底させました。7回までやり続けられると、どこかでビッグイニングが生まれる。細かなプレーを身につけたことで、積極的な攻撃もできると考えています」と続けた。
今年、手にした日本一は竹脇監督のプラン通りだ。チーム結成から5年以内に甲子園で活躍できる選手の育成と全国大会ベスト4入り。そして、5年から10年で日本一、プロ野球選手を輩出することを目標に掲げていた。今秋のドラフト上位指名が予想される享栄(愛知)の152キロ左腕・東松快征投手も東海中央の卒団生だ。
有言実行でチームを成長させる指揮官は、25日から5夜連続で行われる「日本一の指導者サミット」にも参加予定。着実にチームを進化させる手法は多くの指導者の参考になりそうだ。
結成11年目で初の日本一…東海中央ボーイズ・竹脇監督も“参戦決定”!
Full-Count(First-Pitch)と野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では9月25日から5夜連続(午後8時から)でオンラインイベント「日本一の指導者サミット」を開催する。小・中学生の野球カテゴリーで全国優勝経験を持つ全12チームから、手腕に定評のある監督たちがYouTubeライブに登場。指導論や選手育成術、円滑なチーム運営のヒントを授ける。詳細はTURNING POINTの告知ページまで。
【日本一の指導者サミット・詳細】
https://first-pitch.jp/article/news/20230902/5374/
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