習い事、スポーツの掛け持ち推奨 全選手が試合に出場する起用
チームでは習い事や他のスポーツの掛け持ちを推奨している。夏休みの合宿では、野球の練習だけではなく、川遊びや芋掘りの時間もつくる。夜は花火をしたり、大人がお化け役をするお化け屋敷をしたりする時もあったという。尾崎代表は「周りのチームには、投げ過ぎで肘を壊す選手がいました。うちのチームは、できるだけ全ての選手が試合に出られるようにしてきました。野球を楽しんで、中学で続ける選択肢になればと思っています。野球以外の知識や経験も大切です」と語る。
都市部の少年野球チームでプレーする子どもや保護者の悩みとなっている「受験問題」にも、柔軟に対応している。中学受験する子どもの多くは、小学6年生になるタイミングで「受験」か「野球」かの二者択一を迫られる。だが、関町ニューウエスタンでは、受験でチームを離れる選手を一時休部にして籍を残す。尾崎代表は「チームにとっては選手が抜けるのはマイナスですが、受験を理由にせっかく続けてきた野球を辞めるのはかわいそうです。受験が終わったら、1日でも2日でも練習に来てもらい、納会ではトロフィーを渡しています」と話す。
尾崎代表は、45年前に掲げたチーム方針が珍しくなくなってきた少年野球界の変化を感じている。子どもたちを怒鳴る指導者が減ってきた現状を歓迎する。ただ、自身の理念と違うチームを決して否定しない。子どもたちの怪我のリスクを抑えて野球の楽しさを伝えられるのであれば、土日どちらも練習したり、勝利をどん欲に追い求めたりするチームがあっても良いと考えている。
「厳しい指導方針が合う子どもばかりではありません。うちのチームは野球の楽しさを知ってもらって、野球が好きなまま次のステージに送り出すのが任務だと思っています」