実際に使用したプロ野球選手が感銘を受け、広めようとしている

 こうした考え方を理解し、子どもたちに広めようとしているプロ野球選手もいる。ソフトバンクの和田毅投手は、シーズンオフに地元・島根県で開催している少年野球大会で、八木さんたちと協力してパルスの体験ブースを設けた。40歳を過ぎても現役を続けている和田投手は肘の手術を経験しており「自分が子どもの頃にパルスのようなものがあったら」と話していたという。

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 体験ブースでは、子どもたちが実際にパルスをつけて投球し、その際にかかる肘への負荷や腕を振るスピードなどを計測した。その中に、腕を振るスピードが驚異な速さだった小学3年生がいた。八木さんは「この数値では同級生に打たれることはないだろう」と感じるほどだった。

 少年野球の指導者とすれば、試合に勝ちたいので、その選手の起用が増える。ただ、それだけ力強く腕を振れば、肘への負荷は大きくなる。八木さんは「酷使すれば小学6年生で投げられなくなるかもしれません。大事に育ててください」と指導者に伝えた。そして、「子どもたちや両親、指導者にパフォーマンスが高いとそれだけ負荷がかかっていることを理解してもらえただけでも有意義なイベントだった。どんな美しい投球フォームでも、肘にはストレスがかかっているので、フォームの修正以上に、肘への負荷や疲労度を重視する指導者が増えてほしい」と訴える。

 高校球児は140キロ、150キロの直球を1球投げることがゴールではない。怪我をしたら振出しに戻り、場合によっては野球を続けられなくなる。八木さんは、怪我で野球をあきらめる子どもたちをなくすため「効率的に肘を休ませる文化」の構築を目指している。

(間淳/Jun Aida)

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